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2013 年度 実績報告書

カエル精巣卵形成に対する内分泌かく乱物質のエストロゲン作用とは異なる遺伝子発現

研究課題

研究課題/領域番号 23510077
研究機関広島大学

研究代表者

高瀬 稔  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80226779)

キーワード精巣卵 / 両生類 / 性転換 / 性分化 / 生殖腺 / ビスフェノールA / ノニルフェノール
研究概要

両生類精巣卵形成に対する環境化学物質の影響について解析した。最初に、ツチガエルおよびトノサマガエル、ネッタイツメガエルの生殖腺分化幼生または変態完了個体に対して、ビスフェノールA(BPA)およびノニルフェノール(NP)、エストラジオールベンゾエイト(EB)を曝露した。その結果、生殖腺未分化幼生へのエストロゲン曝露による性転換の程度がネッタイツメガエルよりも弱いツチガエルおよびトノサマガエルに対して、EBよりもエストロゲン作用が弱いBPAまたはNPを曝露(10 nM以上)することにより精巣卵が形成された。次に、精巣卵以外の生殖腺異常も顕著に観察されたツチガエル生殖腺分化幼生に対して60日間の曝露を行うと精巣卵が形成されたことから、60日間曝露した精巣において発現変化する遺伝子をディファレンシャル・ディスプレイ法により解析し、PCR産物を回収した。最終年度では、シークエンス解析を行い、ビテロゲニンA1遺伝子配列と相同性を持つPCR産物を確認した。また、ほ乳類ではERRgamma(ERRg)がBPAの受容体と考えられており、ネッタイツメガエルでは精巣卵形成に関与する候補遺伝子として42Sp50遺伝子が2013年に報告されている。そこで、最終年度ではツチガエルのERRgおよび42Sp50をコードする遺伝子を単離し、リアルタイムPCR法による発現解析を行った。その結果、BPAおよびNPの曝露においてのみERRg遺伝子発現が促進される傾向が見られた。従って、環境化学物質の非エストロゲン様作用による両生類精巣卵形成にビテロゲニンA1およびERRgが関与している可能性が考えられた。さらに最終年度では、精巣卵を持つ精巣を用いた人工媒精により得られた変態完了個体では精巣卵が観察されなかったことから、野外個体に見られる精巣卵は遺伝的背景よりも化学物質影響をより強く反映している可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] トノサマガエルの生殖腺分化におけるエチニルエストラジオールの影響2013

    • 著者名/発表者名
      小林 亨、高瀬 稔、熊倉雅彦、山本 潤、長坂洋光、大西悠太、井口泰泉
    • 学会等名
      環境ホルモン学会
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      20131212-20131213
  • [学会発表] 甲状腺ホルモンにより誘導されるネッタイツメガエル甲状腺ホルモン受容体遺伝子発現に対する化学物質抑制作用の肝臓と尾における違い2013

    • 著者名/発表者名
      高瀬 稔、田澤一朗、矢尾板芳郞、井口泰泉
    • 学会等名
      環境ホルモン学会
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      20131212-20131213

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公開日: 2015-05-28  

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