内分泌かく乱作用が疑われるビスフェノールAの代替物質を対象に、水環境汚染の実態把握とリスク評価を行った。その結果、河川水試料から感熱紙材料であるビスフェノールSとビスフェノールS monoPが高濃度で検出され、主な排出源として製紙工場の排水が考えられた。紙産業由来のBPS排出量を試算したところ、年間7,200 kgと推定された。 BPSとBPS-monoP のMEC(実測濃度)とPNEC(最大無影響濃度)の比は複数の地点で1.0を超過した。これらの物質が水生生物に影響を与える可能性が窺え、今後ビスフェノール代替物質の環境リスクを詳細に調査する必要がある。
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