研究概要 |
平成23年度に続き、パイロクロア型希土類スズ酸化物Ln2Sn2O7(Ln:La,Nd,Y)を担体としたRh触媒を調製し、COまたは炭化水素を用いたNO還元反応に対する触媒活性の検討を行った。平成24年度は長時間使用後の触媒のNO還元特性を検討するため、空気中、900℃で25時間aging処理をしたRh/Ln2Sn2O7を用いて活性評価を行った。Fresh触媒において、いずれの組成においても275~300℃でNO転化率が増大し、300℃で最大となった。さらにLn=La, Nd組成において450℃以上の温度域でNO転化率の増大が見られた。また、Fresh触媒に比べAged触媒の場合に、最大NO転化率が約20%低下し、NO転化率が20%に達する温度T20が上昇した。Ln=La,Ndの場合に比べ、Ln=Y組成でT20の上昇が大きくなった。Ln=Ndの最大NO転化率は45%程度であり、他の組成に比べ高いNO転化率を示した。XPS測定の結果より、aging処理によりLn=Yの場合にLn=La, Ndに比べ表面のRh量が減少していることが示唆された。以上の結果からパイロクロア酸化物における希土類イオンがRhの酸化物中への移動を制御する因子であることを明らかにした。 また、Ln2Sn2O7と同様に希土類および+4価金属イオンを含む酸化物であるアパタイト型ケイ酸塩La9ASi6O26(A=Li,Na,K)を担体としたPt触媒のNO還元特性について検討を行った。C3H6を用いたNO還元反応に対してはA=Naが、C3H6酸化反応に対してはA=Kの場合に活性が高くなることを見出し、アパタイト型ケイ酸塩触媒では担体の塩基特性が炭化水素が含まれる反応に対する活性に影響することを見出した。
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