研究課題/領域番号 |
23510101
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 祥広 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90264366)
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研究分担者 |
井上 謙吾 宮崎大学, IR推進機構, 助教 (70581304)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌 / 緑膿菌 / 薬剤感受性試験 / 河川流域 / 菌数 |
研究概要 |
緑膿菌に関する院内感染が多数報告されつつある一方において,水環境中における緑膿菌の実態やその薬剤耐性に関する情報は極めて少ない。そこで本研究では,河川流域を対象として緑膿菌の存在実態を調査した。さらに,単離された緑膿菌に関して各種抗生物質の薬剤感受性試験を行い,薬剤耐性の有無,ならびに河川流域における耐性菌の分布状況について検討した。得られた知見を以下にまとめる。1)上流域から河口の下流に至る全ての地点において100~101 cfu/100mlの緑膿菌が検出され,清武川流域全体に広く分布していることがわかった。2)古くから広く利用されてきた代表的なテトラサイクリン系抗生物質は全株が耐性を示した。本調査河川においてもテトラサイクリン系耐性緑膿菌は広く分布していた。3)アミノグリコシド系抗生物質およびセフェム系抗生物質に対して,中程度耐性を示す株が存在した。4)院内感染で問題となっている多剤耐性緑膿菌は検出されなかった。5)流域地点毎における各薬剤の薬剤感受性をみると,セフェム系抗生物質の一剤は上流から下流にかけて,感受性率が上昇する傾向が見られた。 その他の薬剤のMICから総合的に判断すると,上流域から下流域において,単離された緑膿菌は薬剤耐性の強弱の変化が認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
河川の上流から下流における継続的な細菌学的調査において,調査地点を選定し,調査を継続的に実施する体制を整えた。中規模都市「宮崎」を経由する河川を調査対象エリアとし,人為的影響の極めて少ない最上流域から人間活動の活発な市街地,その下流,河口に至る流域の定点について,細菌(ふん便指標細菌,緑濃菌)も含めた水質調査を通年で実施した。調査タームは季節的変動を考慮し,平水時の細菌の動態を追跡した。その結果,緑濃菌の菌数が把握でき,薬剤耐性菌の発現率の実態の一部を明らかに出来た。この成果を日本水環境学会年会において公表することでき,概ね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
1)都市域を経由する河川の上流・下流域全体における薬剤耐性菌の実態調査の継続的実施 数河川を対象として,河川上流から河口・沿岸域に至る調査点を設定し,H24年度の年間にわたって継続的に緑濃菌と腸球菌の菌数モニタリングと薬剤耐性菌の発現率の調査を実施する。特に,腸球菌に重点を置く。2)薬剤耐性菌の発現実験 人工的に各種抗生物質含有の培地を作成し,薬剤培地において非薬剤耐性の緑濃菌株を培養し,薬剤耐性の発現を観察する。発現した薬剤耐性菌について遺伝子をPCR法とシークエンス法で解析し,既知の薬剤耐性遺伝子の存在の是非を判定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
細菌検査キット:300千円薬品:200千円実験器具類消耗品:150千円研究旅費:70千円
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