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2011 年度 実施状況報告書

亜硝酸化生物反応と亜臨界水熱反応による高濃度窒素含有工業排水の処理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23510108
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

山崎 博人  宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20300618)

研究分担者 竹内 正美  宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30043889)
根來 宗孝  宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80258152)
宮越 昭彦  旭川工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (10249724)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード高濃度アンモニア態窒素 / 固定化細菌 / バイオリアクタ / 亜臨界水熱反応 / 亜硝酸態窒素 / 工業排水処理 / 窒素除去 / 亜硝酸化細菌
研究概要

[目的]5,000 ppm以上の高濃度アンモニア態窒素(NH4-N)を含む工業排水を、固定化細菌(群)により酸化してNO2-のみを選択的に生成させる前段の生物処理と、生成したNO2-と未反応NH4+とを触媒の存在下、窒素ガスに変換する後段の水熱処理の併用で、NH4-N含有排水を無害化除去(完全消滅除去)するための新技術の開発が本研究の目的である。[成果]インコネル製100mL容量の円柱型の防爆型反応容器、保温容器・ヒーター・センサー・制御装置の装備された温度制御装置、圧力計・安全弁・ガス抜き弁をもつガス配管、そして、速度制御可能な横揺れ振盪機から構成される回分式水熱反応装置を製作した。本装置を用い、無触媒下で、200℃未満の反応温度での完全分解反応(NH4+ + NO2- → N2 + 2H2O)を検討した。両窒素成分となる硫酸アンモニウムと亜硝酸ナトリウムには、試薬を用い、等モルに調整して反応を行った。また、NH4-Nと亜硝酸態窒素(NO2-N)濃度は、前段の生物処理水から得られる濃度を想定し、1,500~5,000ppmの高濃度で行った。反応温度200℃、処理水濃度1,500ppmの場合、除去率は95%と非常に高くなった。そこで、反応温度を180℃、160℃と下げたが、90%以上の高い除去率を示した。次に、処理水濃度を3,000ppmと5,000ppmにて検討した。3,000ppmの場合、160℃で90%以上、180℃以上ではほぼ完全分解した。5,000ppmの場合、140℃の低い反応温度でも除去率95%を示すことが確認できた。なお、NH4-N成分のみでは反応は進行しなかった。固定化細菌(群)による亜硝酸のみを生成するメカニズムの解明については、今年度、その念入りな準備が完了できた。こちらについては次年度、報告したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ゾルゲル法で製造した複合酸化物触媒の開発がやや遅れている。その理由には、以下の2点が挙げられる。(1) 研究成果に挙げた回分式水熱反応装置の製作に思いの外、時間を要した。(2) 窒素成分に市販試薬を用いた場合、触媒は無くとも、十分に反応が進行することが確認でき、触媒を調製する必要性が無かった。

今後の研究の推進方策

次年度は、亜硝酸化リアクターからの処理水を用いて、3,000ppm濃度での水熱反応を検討する。恐らく、触媒の手助けが必要かと思われるので、安価な非貴金属のMoとVを用い、ゾルゲル法で製造した複合酸化物触媒を開発する。ゾルゲル法は、化学混合を経て複合酸化物を製造する手法で、物理混合した場合に比べ、金属成分の分散性が高まり、大きな触媒活性を発現できる。触媒は、X線構造解析や表面積測定などの物性確認を行う。ビーズクラッシャーにより含水ゲル上の固定化細菌(群)からDNAを抽出後、16S-rRNA遺伝子を対象とするPCR-DGGE法、FISH法などの遺伝子工学的手法を経て、菌種特定や生物学的安全面、生育分布、NO2-のみを生成する機構を調べる。

次年度の研究費の使用計画

研究費は、複合酸化物触媒の原材料費用、個別に反応条件の検討のための小型亜硝酸化リアクタの作成費用、固定化細菌(群)の含水ゲル上の生育分布を観察するための蛍光蛋白の合成費用、国外にて成果報告するのための出張旅費などとして、適切に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 生物反応と水熱反応を組み合わせた高濃度排アンモニアの消滅型除去2012

    • 著者名/発表者名
      原田 諭
    • 学会等名
      第14回化学工学会学生発表会宇部大会(西日本地区)
    • 発表場所
      宇部工業高等専門学校
    • 年月日
      2012.3.3
  • [学会発表] 生物反応と水熱反応による高濃度アンモニア成分の除去2011

    • 著者名/発表者名
      原田 諭,吉屋愛恵,竹内正美,山﨑博人
    • 学会等名
      2011年日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      20111112-13
  • [学会発表] 亜硝酸化生物処理と亜臨界水熱処理を組み合わせた高濃度排アンモニアの消滅型除去2011

    • 著者名/発表者名
      吉屋愛恵
    • 学会等名
      第11回環境技術学会研究発表大会
    • 発表場所
      大阪工業大学
    • 年月日
      2011.9.5
  • [学会発表] Treatment of super-high-concentration ammonium wastewater with immobilized nitrifying bacteria: Microbial ecology of immobilized nitrifying bacteria2011

    • 著者名/発表者名
      Hirohito YAMASAKI
    • 学会等名
      4th European Conference on Chemistry for Life Sciences
    • 発表場所
      Budapest(Hungary)
    • 年月日
      2011.8.31-9.3

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公開日: 2013-07-10  

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