研究課題/領域番号 |
23510134
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
柴田 攻 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (10117129)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 肺サーファクタント / 表面・界面物性 / インテリジェント・ナノ材料 / Langmuir単分子膜 / 表面電位ー面積等温泉 / 偏光変調反射赤外分光法 / 原子間力顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 |
研究概要 |
人工調製型肺サーファクタント(LS)脂質の基本成分はDPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、PG(ホスファチジルグリセロール)、PA(パルミチン酸)等がある。PAは動物由来型、人工合成型双方のLS調製物の有効な添加剤として頻用されている。現在までにPAは、LS主成分DPPCの機能を助け、LS単分子膜の分子配向・パッキングを高めると考えられてきた。しかしながら、生体条件ではPAのカルボキシル基はほぼイオン型であり、LSタンパク質(カチオン)との間に静電的な相互作用が存在しているはずであると考えられる。本年度は、鎖長や親水基の異なるPAの同族(類似)化合物を使用することによって、PAの機能・役割を精査した。各種表面物性を測定したところPA系とテトラデカノール(TD)系のみLS特有のsqueeze-out現象が確認出来た。また蛍光顕微鏡(FM)画像においては、ミリスチン酸(MA)系、PA系、及びTD系で著しいドメイン形態・サイズの変化が観察された。さらにPA系においてpH変化の影響を精査したところ、生体pH (7.4)のみでsqueeze-outを引き起こすことが明確となった。これらの結果から、親水基の解離度と疎水鎖長の分子内バランスがLS機能に深く関わっていることが明らかとなった。つまり、疎水鎖 (C16)と部分解離した親水基COOH基に由来するPAのHLB (hydrophile-lipophile balance)が肺サーファクタントタンパク質の界面機能に適合していることが言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究により我々が考案した人工肺サーファクタントの詳細な薬効・メカニズムが明確となった。実際の市場化に向けては多くの問題があるが、本研究の目的は達成されたと判断出来る。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 既存薬Surfactenの薬効を凌駕するような有効な添加物(部分フッ素化両親媒性物質)を探索する。(2)模倣ペプチドの二次構造と肺サーファクタント物性の関連性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度の成果の追加実験、新規ペプチド、新規フッ素化合物の合成、二次元物性実検に取り組む。それらの成果を国際会議にて発表を行なう。
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