研究課題/領域番号 |
23510142
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松下 慶寿 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80240753)
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研究分担者 |
大川原 真一 東京工業大学, 理工学研究科, 特任准教授 (30282825)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | マイクロリアクター / 光触媒 / 医薬品合成 / 高付加価値化合物 / 二酸化炭素資源化 |
研究概要 |
光触媒反応に最適化されたマイクロリアクターを開発、酸化・還元による高付加価値化合物合成や二酸化炭素の資源化になどついて、マイクロ反応場と光触媒反応の特性を組み合わせ、その特性を活かして最終生成物の酸化段階を制御することにより、収率、選択性を向上させ、マクロ式バッチ反応系では実現できない環境負荷低減型の新たな反応プロセスを構築できることを示した。流路深さ100 μm以下、流路幅3 cm以上極めて低いアスペクト比を持つマイクロ流路と、偏流を抑制するために3次元構造を持つ試料導入路を組み合わせたマイクロ流路型デバイスを作成した。試作したデバイスを用いて、内壁に光触媒を担持させれば上記の光触媒反応を高効率に進行させられること、また相溶性の二相の幅の広い層流を安定に生成させられることを確認した。さらに親和性の低い有機相-水相や、気液の界面を安定に生成させるため、流路底面に幅、深さともに100μmの流路を稠密に刻んだ。光透過性や比表面積を損なわず、従来の単一流路型リアクターの100倍以上の反応容積を実現することに成功した。さらにマイクロ流路内に生じる多相流を用いて副反応の抑制を図った。機能材料、農薬・医薬品原料、香料などとして有用な化合物である芳香族アルデヒド類が、対応するトルエン誘導体を選択的酸化することにより得られること、また貴金属助触媒などを添加しない、安価な酸化チタン担持マイクロリアクターを用いて、水溶液中の二酸化炭素を処理すると、犠牲還元剤等を添加しない条件下でも六電子還元によるメタノールが主生成物として得られることを示した。この反応では流速条件等の最適化により、反応収率を10%以上に高められることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ流路内に生じる多相流を用いて副反応の抑制を図るという手法の最適化が進み、二酸化炭素還元で収率10%以上という高い値が得られるようになってきている。一方で多相流を安定生成させつつ反応スケールを増大させる手法の開発が重要となってきている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、シングルチャンネルマイクロリアクターを用いて反応条件最適化を進めていくとともに、並列型マイクロ反応デバイスの開発にも注力していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
反応スケールアップのためのプロトタイプの開発に研究費を割くとともに、引き続き国際学会等を通して最新情報の収集、交換に注力して反応手法の最適化に反映させる。なお、会計処理の都合によって立替払いの精算が遅れたため、研究代表者の直接経費が見かけ上0円となっているが、端数を除いて既に全額執行済みである。
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