研究課題/領域番号 |
23510146
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40236443)
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研究分担者 |
内海 裕一 兵庫県立大学, 付置研究所, 教授 (80326298)
遊佐 真一 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00301432)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ノニルフェノール / ニトロフェノール / ELISA / マイクロリアクター / 抗原固定化 |
研究概要 |
本研究では、ノニルフェノール(環境ホルモン)とニトロフェノール(農薬代謝物)をモデル物質として、それらを官能基として含む抗原内包樹脂のマイクロフィルターを作製し、これを用いた新規な競合ELISA法にてそれらを高感度自動測定することを目標にしている。まず、ノニルフェノール(NP)に対する抗原内包樹脂については、ノニルフェニルメタクリレート(NPM)をメタクリル酸メチル(MMA)とランダム共重合させ、NP基を側鎖に持つp(NPM-co-MMA)を合成することに成功した。この樹脂を用いてフィルムを作製し、さらに放射光(NewSUBARU BL2、兵庫県)によりフィルターの作製を行った。その結果、直径3mm×厚さ200μmのフィルムに2100個以上の40μm内径の直線性の良い細孔が形成されていることがわかった。次に、このフィルターを積層型マイクロリアクターに設置し、競合ELISA法による微量NPの測定を行ったところ、0.1-3.2μg/Lの範囲で負の相関のある検量線が得られたが、データの変動係数が9-24%と大きくばらついた。そこで、精密シリンジポンプや光ファイバー分光光度計などによりなる、自動送液・検出系を構築し、これにマイクロリアクターを設置し、PC制御によるNPの全自動分析を実施した。その結果、現段階で0.01-0.40μg/Lの範囲で検量線が得られ、その変動係数は9-12%と大幅に改善した。一方、ニトロフェノール(NiP)を内包する抗原内包樹脂の合成を試み、NPと同様にp(NiPM-co-MMA)の合成に成功し、さらに、そのフィルム化、フィルター化を上と同じ方法で実施し、マイクロフィルターを得た。このフィルターを用いた競合ELISAによるNiPの測定を実施したが、結論的には細孔表面のNiP基の露出が充分でなく、樹脂への新たなNiP基の結合方法を検討する必要が出てきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、ノニルフェノールを内包する抗原内包樹脂の合成、それを用いたマイクロフィルターの作製、さらにマイクロフィルターを設置したマイクロリアクターを用いて新規競合ELISA法の実証に成功した。さらに、自動化分析については現時点で予想を上回る結果が得られた(変動係数を市販計測器に近い10%程度に抑えることに成功した)。一方、ニトロフェノールを官能基とする抗原内包樹脂については、さらなる改良が必要なことがわかり、この部分が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の目標として、平成23年度にノニルフェノールの自動分析系で得られたデータの再現性が確保されること、さらなる改良を加え、変動係数を常に10%以下に抑えられるようにすることを検討する。また、ニトロフェノールの抗原内包樹脂については、樹脂の主鎖からスペーサー分子を介してニトロフェニル基を結合する新たな樹脂を設計中であり、これの合成、フィルム化、フィルター化を実施する。平成23年度に合成したニトロフェノールの抗原内包樹脂に問題点が生じたため、これを検出するための抗ニトロフェノールモノクローナル抗体の外注を見合わせたため、それに対応する研究費を平成24年度に持ち越した(現状では抗ニトロフェノールポリクローナル抗体を持っているので実験には支障なく、抗原内包樹脂を用いて原理が検証された上で、感度や特異性の問題を検討するためにモノクローナル抗体を外注調製予定している)。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.薬品(960,000円)(1)モノクロ抗体、(2)HRP標識キット,(3)チューブ/コネクター、(4)HPLC用溶媒&GC/MS用ボンベ75、(5)有機合成用試薬など。2.国内旅費(100,000円)(1)μTAS2012参加発表(沖縄)、(2)日本生物工学会大会参加発表(神戸)など3.外国旅費(250,000円)(1)38th International conference on Micro and Nano Engineering (France)4.謝金等(英文校閲料、50,000円)、5.その他(論文投稿料、200,000円)、6.研究分担者経費(2名分、400,000円)
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