研究課題
既存の光共振器構造と電界効果型トランジスタ(FET)構造とを組み合わせ、有機半導体単結晶に適した電気励起レーザー素子構造を構築する、という研究目標を達成するため、前年度までの期間においては、新しい高効率発光有機単結晶材料の探索、およびFET構造中の界面状態制御による発光の高効率化を行ってきた。平成25年度においては、光共振器とFETとの複合構造をナノスケールで実現するための最重要技術である電子線リソグラフィー技術を用いた、単結晶薄膜デバイス作製におけるマイクロパターニング手法の適用と物性評価を中心目標として研究を遂行した。所属機関内での共同研究による、フェニルチオフェン新規誘導体単結晶を用いた光励起発光特性およびFET特性の研究の進展により、側鎖長や置換基位置、そして分子形状に基づいた結晶構造変化を基にした材料設計の指針を得ることができた。これらの知見と、FET構造における重要研究課題である金属-半導体接合状態の解析とを関連づけ、大気中で安定な発光動作を示すFETの開発に成功した。現在、成果が論文にまとめられ投稿されている。またこれらの結果をもとに、またデバイス内の界面状態制御と融合させた新しい研究を、研究分担者と共同して開始したいと考えている。電子線リソグラフィーによる微小共振器構造作成を目指した技術開発を行った。有機半導体単結晶への光共振器微細構造作成には至らなかったが、化合物半導体単結晶への微細加工と物性評価を通じてリソグラフィー技術の条件最適化や特性評価法の確立を行った。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (13件)
ACS NANO
巻: 8(1)巻 ページ: 752-760
10.1021/nn4054039
Phys. Rev. B
巻: 89 ページ: 024503
10.1103/PhysRevB.89.024503
J. Phys. Chem. C
巻: 118 ページ: 3533-3538
10.1021/jp409715s
J. Mater. Chem. C
巻: 1 ページ: 4163-4170
10.1039/C3TC30220B
巻: 117 ページ: 8072-8078
10.1021/jp400646n
J. Elect. Mater.
巻: 42 ページ: 2025-2029
10.1007/s11664-013-2509-z
J. Phys. Soc. Jpn.
巻: 82 ページ: 054714
10.7566/JPSJ.82.054714