研究課題/領域番号 |
23510153
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
加地 太一 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60214300)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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キーワード | OR(オペレーションズ・リサーチ) / 最適化問題 / 確率的解析 / メタヒューリスティクス / Local Search / 近傍構造 / 粒子群最適化法 / アルゴリズム |
研究実績の概要 |
組合せ最適化問題はスケジューリング問題、配置問題など様々な意思決定の問題で利用されている。この組合せ最適化問題を解くための有力な手法として遺伝アルゴリズム、タブーサーチなどを主とするメタヒューリスティクスがある。そして、これらが経験的に良い解を導き出してくれていることは多くの研究でも示されている通りである。しかし、なぜ、メタヒューリスティクスが良い解を導き出してくれるのかは一つの謎であるともいえる。 そこで本研究では、メタヒューリスティクスに対する問題の解空間構造を分析し、その特徴的な性質がAR(1)プロセスであることを仮定し解空間の統計量を取り出す。それによりメタヒューリスティクスの各手法の性能を理論的に推定しその性能を明らかにするとともに、その能力の謎を解き明かすことを目指す。 本年度においては、Local Searchを中心に近傍の性能、そのアルゴリズムが求める解の値、要するステップ数などを再度検証し、モデルの修正を行った。特に、論文としてまとめるために改めて総合的に数値実験を行い、客観的なデータの収得、および理論モデルの正当性を検証した。その上で、理論的解析の実用的な評価点をまとめ上げ、かつ他のメタヒューリスティクスへの応用などの提案、その検証実験を行った。また、メタヒューリスティクスを制御するパラメータ値に関して、総合的な数値実験を行い推奨するパラメータを評価分析した。この値を用いて、今後理論的に推定される推奨パラメータとの比較分析を行う予定である。特に、この段階では、本研究で扱っている粒子群最適化法などを対象に評価実験を試みている。最後に、オペレーションズ・リサーチの応用、利用をはかるため、本研究のアルゴリズム、その考えを用いて最適化の概念、応用の可能性などを示す活動を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文作成に必要な総合的な数値実験は完了した。すなわち、Local Searchを中心に近傍の性能、そのアルゴリズムが求める解の値、要するステップ数など総合的に検証可能な数値実験を行い、客観的データの収得、かつ理論モデルの正当性は検証できた。これにより、本研究の結果を公表するために必要な数値データが得られ、かつモデルの正当性を検証する本研究の重要なポイントが達成された。ゆえに、本研究の予定する主要な計画段階は十分行われたものと考えている。 しかし、提案している汎用的解析モデルの修正においてバグが見つかりその修正に時間を要したため、メタヒューリスティクス全体に対する詳細な数値実験にまで及ばなかった。そこで、期間延長を申請しより詳細な検証のための数値実験を行い本研究の完成を目指している。また、併せて確率的解析の知見に基づいた粒子群最適化法の検証実験も拡充し、より内容の濃い研究とする予定である。以上のように不足している部分を補うため、示した進捗状況の区分と判断した。今後は、補助事業期間の延長期間内で完成度の高い研究を目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
不十分であったメタヒューリスティクス全体に対する詳細な数値実験をすすめ、広く汎用性を確認できる確率解析モデルに対しての検証を進めたい。特に、本研究の基礎である近傍構造の理論モデルに対して、様々な近傍、インスタンスを例に取りその確率モデルとしての検証をより詳細に進める予定である。また、合わせて、パラメータの理論的推定と実験的に得られたその特徴とを比較検証し、理論モデルの有用性を追求したい。および、解移動に特徴的な確率分布を利用することにより強力な探索能力を得る粒子エージェントの活用による探索アルゴリズムの提案も加えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、Local Searchを中心に近傍の性能、そのアルゴリズムが求める解の値、要するステップ数などを再度検証しモデルの修正などを行った。また、論文としてまとめるために改めて総合的、かつ客観的に数値実験を行い、総合的なデータの収得、かつ理論モデルの正当性を検証した。しかし、メタヒューリスティクス全体に対する詳細な数値実験にまで及ばず、広く汎用性を確認するための数値実験など次年度に行うこととした。そのための実験環境の整備は次年度に回すこととし、その実験環境を整えるために必要な機材を次年度に購入するものとし次年度使用額として計上したものである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において、様々なインスタンス、近傍を考慮した詳細な数値実験を行うために実験環境を整え、広範囲に検証を行う予定である。そのため、次年度使用額を用いて、実験環境を拡充しその充実をはかる予定である。特に、様々なベンチマーク問題、および多くの近傍に対する検証を行いその特性を明らかにする。それに必要な実験計画を策定し再度数値実験に望みたい。
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