多変量データにおいて,複数の変量が同時に大きく変動する極値事象をモデリングするための統計手法と,ファイナンス関連分野を中心に極値事象の影響の評価やリスク管理手法などを研究した.その結果,レジームと呼ばれる潜在的な状態変数の変化に応じて,誤差共分散など多変量データの構造が変化するレジームスイッチモデルが,理論面でも応用面でも有用であることが確認できた.金融市場の実証分析では,ハイリスクとローリスクの局面変化がレジームによって表現され,局面に応じた行動を選択することで,より適切な投資やリスク管理が可能であることが示された.
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