研究課題/領域番号 |
23510159
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
杉山 学 群馬大学, 社会情報学部, 准教授 (40256665)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 日本の電力自由化 / 電力各社の生産性 / DEA / 時系列評価 |
研究概要 |
本研究の初年度,平成23年度(2011年度)は本研究で実施する分析のための基礎的な準備を中心に行った.その内容は次に示す通りである.まず第1点目として,電力各社の各種データを公開情報,主に書籍資料から収集し,整理を行った.この作業の過程で,電力各社の各種データに関するバックナンバー資料が容易に入手できないことが判明し,数年分のデータが入手できなかった.そのために,これらデータを当該年度中にデータベース化することができず,コンピュータシステム上にデータベースが整備途中である. 次に第2点目として,電気事業体の生産性の効率評価を時系列的に分析するためのDEAのパイロットモデルを作成した.しかし,作成したDEAモデルは実用面や既存モデルとの関係から,様々な問題点が判明した.これらに関する解決策を見出すため,他の研究者(国内在住)にアドバイスを当該年度中に得る計画であったが,東日本大震災によるスケジュール混乱のため相手側の都合と合致せず,日程調整したが実現できなかった.しかし,次年度において実行する予定である. 第3点目として,データ収集や電気事業体が置かれている現状について,電気事業の専門家として,民間研究所の研究員等に本年度中にインタビューを行うことを改めて検討し直した.その結果,本年度中のインタビューは行わないこととした.なぜなら,電気事業関係者は東日本大震災により生じた原子力発電所の事故収束対応に今もなお追われており,混乱状態であるために,正確な意見を現時点で得られないと判断したためである.次年度以降の研究期間内に,状況を判断して適宜実行することとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1点目として,本研究の目的である電気事業体の生産性の効率評価を時系列的に分析するために作成したDEAのパイロットモデルに関して,他の研究者(国内在住)にアドバイスを当該年度中に得られなかった. 2点目として,電力各社の各種データに関するバックナンバー資料が入手できないことが判明し,数年分のデータが入手できなかった.そのために,各種データをデータベース化する作業が完了せず,整備途中となった.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度(2012年度)は,新しいDEAモデルの開発を中心に行い,前年度(平成23年度)で残された課題を行う.本研究の目的である電気事業体に関する生産性の効率評価を時系列的に分析するために,前年度(平成23年度)作成したDEAのパイロットモデルの改良を行い,本研究に適合するDEAモデルを新規に開発する計画である.そのために作成したモデルに関して,前年度実現できなかった,他の研究者(国内在住)にアドバイスを受ける予定である.そして,新規開発予定のDEAモデルを,国内の学会などで発表し,指摘された点を考慮して論文にまとめる計画である.また前年度,電力各社の各種データで数年分が入手できなかったデータを入手し,データベース化作業をさらに進める計画である.さらに,新規開発予定のDEAモデルの計算を効率的に実行するために,コンピュータシステム上に数値計算ソフトを整備する予定である. 平成25年度(2013年度)は,電力自由化の先進国アメリカ合衆国での状況調査を中心に行う.本研究における本格的な分析・評価を実行する前に,電力自由化の先進国であるアメリカ合衆国での状況調査を行う計画である.この状況調査に合わせ,DEAモデルの最先端研究が行われている米国ニューメキシコ工科大学などの研究者に直接本研究のアドバイスを得る計画である.また,この状況調査をするなかで,追加として必要となったデータを新たに収集,整理を行い,各種資料を作成する計画である. 平成26年度(2014年度)は,本格的な分析と評価結果の発表を中心に行う.前年度までの研究結果を踏まえ,本格的に電力各社に関する生産性の効率を時系列的に分析・評価する.その研究成果を整理し,ホームページでの公開や研究成果広報用資料の作成を行う計画である.さらに本研究の結果を国内外の学会にて発表し,論文投稿を行う計画である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度である平成24年度(2012年度)において,本研究の目的である電気事業体に関する生産性の効率評価を時系列的に分析するために,本年度(平成23年度)作成したDEAのパイロットモデルに関して,他の研究者(国内在住)にアドバイスを受ける予定である.そして,次年度(平成24年度)新規開発予定のDEAモデルを,国内の学会などで発表する予定である.これらを実行するために旅費としての出費を計画している. また本年度(平成23年度),電力各社の各種データで数年分が入手できなかったデータを入手するために資料費としての出費を計画している. さらに,新しいDEAモデルの計算を効率的に実行するための数値計算ソフトを整備するために物品費としての出費を計画している.
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