研究課題/領域番号 |
23510162
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
久保 幹雄 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (60225191)
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研究分担者 |
小林 和博 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (00450677)
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (30435771)
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キーワード | サプライ・チェイン / リスク管理 / 人道支援ロジスティクス / 最適化 |
研究概要 |
国内外におけるサプライ・チェイン途絶に関する事例調査を行い,モデル化に必要となる変数及び制約条件を明確化する.そして,途絶が生じた事例データベースを作成した.さらに,途絶を考慮した3つのモデル(モデル1:地震災害を想定した定量的なリスク指標を目的関数に考慮した施設配置モデル,モデル2:生産過程における部品供給の不確実性を考慮したモデル,モデル3:船舶スケジューリング問題)を構築した.各モデルの概要は以下の通り. モデル1:拠点配置問題:年単位の長期的な意思決定となるストラテジック・モデルに分類されている「施設配置問題」の定式化を拡張し,製造工場や物流センターの立地における不確実性を考慮したモデルを構築した. モデル2:安全在庫配置問題:月単位の中期的な意思決定となるタクティカル・モデルに分類されている「在庫問題」の定式化を拡張し,生産過程における部品供給の不確実性を考慮したモデルを構築した.シナリオに基づいた確率計画アプローチにより,混合整数計画問題として定式化を行った.また,非線形関数の区分的線形近似についても定式化に工夫をほどこし,現実的な計算時間で求解できるようにした. モデル3:船舶スケジューリング問題:日単位の短期的な意思決定となるオペレーショナル・モデルに分類されている「輸送計画問題」として,拠点間の物資移動についてどの拠点からどの拠点にどのタイミングで物資を移動するかを決定するモデルを構築した. 同時に,実企業へのヒヤリングを行い,想定する途絶シナリオの作成を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基盤になる3つのモデルを構築し,プログラム実装を行った. さらには,実企業へのヒヤリングを行い,今後起こりうる大規模災害のシナリオを共同で作成し,途絶を組み込んだモデルに対する現実的なデータの整備を行った.
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今後の研究の推進方策 |
3つのモデル(モデル1:地震災害を想定した定量的なリスク指標を目的関数に考慮した施設配置モデル,モデル2:生産過程における部品供給の不確実性を考慮したモデル,モデル3:モデル3国際物流に着目した拡張モデル)をプログラムとして実装する.特にモデル3については,拠点の所在地および安全在庫の時間的推移を取り込みやすいようデータ連携部を設計する. そして,ヒアリング調査に基づいたサプライ・チェインを対象とした被災シナリオの設定を行い,統一したシナリオを用いて3つのモデルを実行し,最適施設配置,最適在庫配置,最適船舶スケジュールの解を評価といったシナリオ分析を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
モデルのプログラム構築のための人件費ならびに成果発表の出張費に用いる.
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