研究課題
今年度の主な研究成果は,1.Max-plus代数系における軽量なモデル予測制御器の記述能力向上,2.状態方程式の最悪計算量の見積もり,および3.複数のスケジューリングポリシーが混在する場合の状態方程式の導出,の3点である.モデル予測制御は,その概念が理解しやすい反面,頑健性を確保するために予測ステップ数を大きく取ると,計算量が著しく増加する難点がある.前年度の検討では,分枝限定法的な考え方を用いて探索空間を小さくする方法を考案していたが,単一設備内の最大容量が1,設備間の容量が無限大のクラスのみを対象としており,適用範囲が限られていた.そこで今年度は,任意の2設備間の最大バッファ容量が考慮できるような拡張を行い,当該手法の実用性を向上させた.また上記2.では,システムサイズに対して最適化問題の制約式の数がどのようなオーダーで増加するのか,システムパラメータに制約がない場合で,ノード数を固定した時の最大パス数を計算した.その結果,ノード数nが十分大きい時に,独立なパス数の最大値がO(pow(3, n/3))のオーダーで増加することが判明した.上記3.では状態方程式の拡張を行い,タスク間に先行制約関係のみが課される場合と,複数タスクの相対的な開始・終了時刻が固定されている場合の,両方のスケジューリングポリシーが混在できるようにした.従来ではジョブ単位でいずれか一方のポリシーのみしか選択できなかったが,この検討により,単一ジョブ内にも複数のポリシーを混在させることが可能になった.
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http://syslab.k.hosei.ac.jp/research.html