1.一般の必然性測度用いたファジィ線形計画法に関する研究においては,昨年度得られた意思決定者の様々なロバストネスに対する階層的な要望をレベル集合間の包含関係の推移で表現する方法を精緻化し,国際会議論文としてまとめ,国際会議MDAI2013で口頭発表した.また,ソフトサイエンスワークショップで特別講演し,日本の関連分野の研究者へ情報発信した.研究期間を通して一般の必然性測度を用いたファジィ線形計画問題も線形性を大きく損なうことなく解けることが示せた. 2.グレード付きイルノウン集合に関しては,情報が互いに矛盾する場合にイルノウン集合を生成する種々の方法を提案し性質を議論した.研究期間を通してグレード付きイルノウン集合は,上下近似に関しては比較的容易に取り扱えることを示すとともに,不明確な係数の取りうる範囲の定め方も議論できることを示した. 3.区間順序回帰では参照代替案に関する一対比較情報から区間効用関数を求める,昨年度に開発した手法を精緻化して,国際会議NACA2013で発表するとともに,20ページの英文論文としてまとめ,NACA2013のProceedingsに投稿した.このモデルの拡張(ファジィ化など)についても考察し,取るべきアプローチを明らかにした.研究機関を通して,ロバスト順序回帰より簡便な区間順序回帰で類似した概念が扱えることを示した. 4.必然的有効解がある1目的計画問題の可能的最適解と必然的最適解とに分類できることを論文として纏め,IFSA2013で発表した.これにより,必然的有効解に2種類のものがあることが分かった. 5.下位の評価関数が不明確な2レベル線形計画問題に対するロバストな取り扱いに対する研究成果をまとめ,NACA2013で発表するとともに,NACAのProceedingsに投稿した.これにより,2レベル線形計画問題へロバスト性を導入することができた.
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