研究課題/領域番号 |
23510174
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (30249742)
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研究分担者 |
山本 久志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60231677)
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キーワード | 設備再配置 / アルゴリズム / 進化的計算法 |
研究概要 |
設備再配置問題の解法として,遺伝的アルゴリズムにタブー・サーチを組み合わせたハイブリッドな計算方法(GA+TS法)を開発し,数値実験によりその効果を検証した。また,他の計算方法との比較を行い,その計算方法の特徴を検討した。その結果,設備再配置問題において,コスト制約が前期比60%以上90%以下の場合では,遺伝的アルゴリズムにシミュレーテッド・アニーリングを組み合わせた方法(GA+SA法)での値が優れていたが,それ以外のコスト制約の場合は新たに開発したGA+TS法での結果の方が優れていることがわかった。この結果に関する考察として,探索領域が狭いコスト制約90%以上の場合と,探索領域が広がるコスト制約60%未満の場合では,GA+SA法での探索範囲が狭いことと,GA+TS法での履歴参照による探索点の移動効果があることが,違いの生じた理由として考えられる。これらの研究結果を,国内学会,国際会議等で発表し,内外の研究者,実務家と議論を行った。この結果,問題の特徴により探索効果が異なることから,問題のデータ構造,特に設備の単位量あたりの変動費と固定費の関係である程度の探索領域の限定が考えられること,実行不可能解の生成時に棄却するのではなく何らかのペナルティを課して目的関数値を評価することで単段階による解法が考えられること,などが直観的な意見として得られた。これらの知見をもとに,これまでのGAに各種メタヒューリスティクスを組み合わせる枠組みから替わって,異なった解法フレームワークを構築することが,研究の方向性として得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の計画では,二段解法の検証は終了し,一段解法の開発と検証を始める時期であるが,実験結果において問題の特徴により解法の効果が異なる興味深い挙動が観察され二段解法の検証を継続したため,若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
設備再配置問題に対しメタヒューリスティックのうち遺伝的アルゴリズム,シミュレーテッド・アニーリング,タブー・サーチを適用した解法アルゴリズムを開発し,数値実験を通じてその計算効果について検証する。国内外の学会で発表し,関連研究者との討議を通じて,本研究の結果検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画より物品の購入を見直したこと,研究補助への謝金が実験の進行に伴い計画時間とのずれが生じたこと,国際会議参加費の区分をその他としたことなどから,次年度使用額が生じた。 次年度は最終年度であるので,研究成果発表と研究とりまとめの必要性に応じて物品,旅費,謝金などに費用を配分することとしたい。
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