今年度は前年度得られた知見に基づき、遺伝的アルゴリズムにタブー・サーチを組み合わせた方法の効果を数値実験を通じて確認するとともに、再配置計画で繰り返し計算処理が出現しうる多階層設備配置問題の解法に対して改良を行うこととした。また、疑似焼き鈍し法など他の技法との組合せやデータ構造による使い分けを考慮して、個体群をもつメタヒューリスティックアルゴリズムとして発展させて研究を進めた。これらの研究結果から、前年比コスト制約の減少率の違いにより、タブー・サーチと疑似焼き鈍し法で効果を発揮するデータ構造が異なることと、パラメータの設定によってタブー・サーチの効果が向上することが確認された。また、多階層設備配置問題に対し、疑似焼き鈍し法による解法のパラメータ設定について検討したところ、温度の制御について適切な温度を維持する方が探索効率が向上することが数値実験により認められ、新たな知見が得られた。
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