研究課題/領域番号 |
23510186
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 知道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50251369)
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研究分担者 |
川村 大伸 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 助教 (50548261)
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キーワード | ヘルスケア / 高齢者介護 / ケアプラン / 品質管理 / 統計的データ解析 |
研究概要 |
本研究課題では,統計的データ解析に基づいたケアプラン作成支援を目的としている.介護対象者にとって真に必要なケアプランを作成するフレームワークを導出することにより,ケアマネージャのケアプラン作成を支援し,高齢者の生活の質の向上のための仕組みづくりに貢献することである. 平成25年度は,平成24年度までに得られた結果をもとに,ケアプラン作成支援の最も重要な部分である,属性とケアの関係の把握を行った.さらに,統計的データ解析によって明らかにされた属性とケアとの関係の把握に基づいて,介護対象者にとって真に必要なケアプランを作成するフレームワークの要素について,その妥当性を評価し検討を行った. 次に,それまでの解析結果,現在の施設での介護実施状況のヒアリング,システムに必要な要素の具体的なブレークダウン,を総合的に検討して作成支援システムの具体的な仕様を明らかにした.ケアプランを作成するフレームワークの土台となる部分にあたる. 得られた成果は,2013年8月にオーストラリアで行われたXIth International Workshop on Intelligent Statistical Quality Control (第11回インテリジェント統計的品質管理国際ワークショップ),そして10月にタイで行われたANQ Congress (アジア品質会議)で発表した.発表を行うとともに,専門家との有益な議論を行い,研究を進める上で重要な知見を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は,平成24年度までに得られた結果をもとに,ケアプラン作成支援の最も重要な部分である,属性とケアの関係の把握を行った.そして統計的データ解析によって明らかにされた属性とケアとの関係の把握に基づいて,介護対象者にとって真に必要なケアプランを作成するフレームワークの要素について,その妥当性を評価し検討を行った.ここまでの部分については,順調に進展していると判断できる. また,それまでの解析結果,現在の施設での介護実施状況のヒアリング,システムに必要な要素の具体的なブレークダウン,を総合的に検討して作成支援システムの具体的な仕様を明らかにした.可能であれば,システムを立ち上げるところまで研究を進めたかったが,そこまでは到らなかった.しかしながら,システムの仕様に関して十分な検討を行えたので,おおむね順調に進展していると考えられる. 以上を総合的に判断し,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
ケアプランを作成するフレームワークのプロトタイプを実際に稼働させる.プロトタイプを実際に使って問題点を洗い出し,改良を加えて,実際にサーバを外に対してオープンできるようにする.支援システムの使われ方を幅広く検討する必要が出てくるが,この段階においては,互いの国の介護の状況をふまえた議論を中心に,共同研究を行っていく予定である.特に高齢者社会への関心が高い,アメリカやスウェーデンの研究者との連携を強めていく予定である. ケアプラン作成支援システムのプロトタイプはまだ完成していないので,前年度の研究結果導出したその仕様の実現化を行う.まずは,仕様をブレークダウンし,要求を適切にみたせるようなシステムの作成を行う.これをもとに実際のプロトタイプを完成させる.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では,ケアプラン作成支援システムのプロトタイプのためのサーバを購入する予定であった.ケアプラン作成支援システムのための仕様の検討は進んだものの,サーバの購入までは進まなかったため,また,サーバ導入に伴う消耗品も購入しなかったため,次年度使用額が発生した. 上述したサーバを今年度に購入する.そのサーバ上にケアプラン作成支援システムを構築する.また,適切なケアプラン作成支援システム構築のために,専門家との打ち合わせを行う予定であるが,そのための旅費を予定通り計上する.そして,研究成果を発表するとともに,海外の研究者との議論を行うことは非常に重要である.このための国際学会への参加も予定通り行う.そのための出張旅費も計上する.
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