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2013 年度 実施状況報告書

測定方法の統計的精度評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23510187
研究機関東京理科大学

研究代表者

尾島 善一  東京理科大学, 理工学部, 教授 (50169299)

キーワード統計数学 / 測定精度 / 実験計画法 / 応用統計学
研究概要

本研究課題では、1. 水準によって正規性が崩れる場合の測定精度の研究、その(1) 定量下限の付近での実際の共同実験データの解析による分布の研究、及び、その(2) 下限が存在する場合の分布のモデル化の研究、2. 水準によって分散が異なる場合の多試験
室多水準共同実験の研究、その(1) 外れ試験室の検出法の研究、及び、(2) 推定される精度の推定性能の評価と必要な試験室数の研究、さらに、3. 併行精度、中間精度、再現精度のロバスト推定法の研究、を目的として研究を進めている。この研究は現在の精度評価の方法の性能を科学的・統計学的に明らかにすることが目的である。ISO 5725 は精度評価に関する基本規格であり、本研究で得られた知見を ISO 5725 並びにISO 13528の改訂に反映させることにより、広く国際的に貢献することが可能になる。
目的の1. 「水準によって正規性が崩れる場合の測定精度の研究」に関しては研究代表者が統計専門家として参画している日本適合性認定協会の技能試験データに基づいて研究を進めている。つぎに、目的の2. (1) 「外れ試験室の検出法」に関しては、既にその方
法論を提案しており、モンテカルロ法によって精密な棄却限界値を導出する準備を進めている。及び、目的の2. (2) 「推定性能の評価と必要な試験室数」に関しては、再現精度推定量の分布の近似分布について検討を行っており、既に結果の一部を得た。さらに、目
的の3 「精度のロバスト推定法」に関しては、研究に着手し、検討すべき方法の考案ついて検討を行っており、既に結果の一部を得た。
これらの結果を、2013年6月にミルウォーキー(アメリカ)で開催されたISO/TC 69/SC6総会で発表し、有益な議論を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に述べた本研究課題のそれぞれの目的についての達成状況は以下の通りである。
目的の1. 「水準によって正規性が崩れる場合の測定精度の研究」に関しては研究代表者が統計専門家として参画している日本適合性認定協会の技能試験データに基づいて研究を進めている。特に、測定結果がポアソン分布に従う場合の測定精度の概念や、より一般
的な計数データの併行精度、中間精度、再現精度を総合的に評価できるモデルの開発を検討している。
目的の2. (1) 「外れ試験室の検出法」に関しては、既にその方法論を提案しており、モンテカルロ法によって精密な棄却限界値を導出する準備を進めている。 目的の2. (2) 「推定性能の評価と必要な試験室数」に関しては、再現精度推定量の分布の近似分布について検討を行っており、既に結果の一部を得た。 目的の3 「精度のロバスト推定法」に関しては、研究に着手し、検討すべき方法の考案ついて検討を行っており、既に結果の一部を得た。このロバスト推定法は、試験室の技能試験のための統計的方法を扱っているISO 13528の改訂に直接関与するものであり、重点的に研究を行っている。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要に述べた本研究課題のそれぞれの目的についての今後の研究の推進方策は以下の通りである。
目的の1. 「水準によって正規性が崩れる場合の測定精度の研究」に関しては技能試験データに基づいて研究を進めている。特に、測定結果がポアソン分布に従う場合の測定精度の概念や、より一般的な計数データの併行精度、中間精度、再現精度を総合的に評価で
きるモデルの開発を検討している。このテーマでは、理論的な研究を重視し、優先的に研究を行っていく。 目的の2. (1) 「外れ試験室の検出法」に関しては、既にその方法論を提案しており、モンテカルロ法によって精密な棄却限界値を導出する準備をさらに進め、必要なプログラム開発を行う。 目的の2. (2) 「推定性能の評価と必要な試験室数」に関しては、再現精度推定量の分布の近似分布について検討を行っており、今後は具体的に近似の有効性についてモンテカルロ法を活用して検討を進めていく。
目的の3 「精度のロバスト推定法」に関しては、研究に着手し、検討すべき方法の考案ついて検討を行っており、既に結果の一部を得た。このロバスト推定法は、試験室の技能試験のための統計的方法を扱っているISO 13528の改訂に直接関与するものであり、候補
となる推定法の性能評価を具体的に進めていく。

次年度の研究費の使用計画

目的の2で、準備を先行させていたため購入予定であった備品(高性能コンピュータ)の導入を先送りしていたが、2014年度に導入の予定である。また必要に応じ、プログラム開発のための謝金も支出する予定である。
目的の1と目的の3は、特別の装置等は必要ではなく、研究に関する情報交換を目的とした旅費、一般の消耗品の支出が中心となる見込みである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Moving CCC-r control chart for high yield processes2013

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Watanabe, Seiichi Yasui, Sama-Ae Armir, Yoshikazu Ojima
    • 雑誌名

      Proceedings of ANQ Congress 2013 Bangkok

      巻: 1 ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ISO/TC69(統計的方法の適用)ミルウォーキー総会報告2013

    • 著者名/発表者名
      尾島善一,鈴木知道,仁科 健,加藤洋一,椿 広計,石山一雄,小池昌義,馬場厚次
    • 雑誌名

      標準化と品質管理

      巻: 66 ページ: 22-25

  • [雑誌論文] Bayesian Lasso with Effect Heredity Principle2013

    • 著者名/発表者名
      Hidehisa Noguchi, Yoshikazu Ojima, Seiichi Yasui
    • 雑誌名

      Proceedings of XIth INTERNATIONAL WORKSHOP on Intelligent Statistical Quality Control 2013

      巻: 1 ページ: 317-329

    • 査読あり
  • [図書] 測定 不確かさ評価の最前線、第3章 測定不確かさ関連規格の紹介2013

    • 著者名/発表者名
      小池昌義,尾島善一,今井秀孝
    • 総ページ数
      75-113
    • 出版者
      日本規格協会

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公開日: 2015-05-28  

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