本研究では、環境に配慮したモノづくりシステムの構築にむけて、近年企業が直面する課題解決のためのJITイノベーションを提案し、山積する様々な課題に対するジャストインタイムな解決についての提案の検討を行った。さらに、不確実な環境下においてグローバル化する企業経営に対し、継続的なPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルをまわした改善マネジメントシステムを提案し、持続可能な低炭素社会の実現への方策について検討を行った。また、2009年12月に閣議決定された新成長戦略(基本方針)において、アジア経済戦略として重要視されているアジア諸国に対して、本研究の成果を活かし、モノづくり分野における国際競争力強化への貢献のあり方を模索した。 具体的にはまず、省資源・省エネルギーの観点から持続可能な生産・物流システムを構築するための企業システムのモデリング、およびその解析と最適化についての検討を行った。 ここでは、グローバル企業として活動を行う、自動車産業における2次サプライヤーを対象としたサプライチェーンにおいて、需要の不確実性および、リードタイムの影響を考慮したシステムのモデル化とその解析を実際の企業における評価システムに基づいて行った。 また、中国自動車産業に関する現状の把握およびサプライチェーンモデリングに関しての提案を行い、不確実需要を考慮して平均費用を最小化する最適政策を求め、各種生産環境におけるその特性についての検討を行った。
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