• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

高度交通システム(ITS)における安全運転管理教育システムの教育効果

研究課題

研究課題/領域番号 23510209
研究機関九州産業大学

研究代表者

合志 和晃  九州産業大学, 情報科学部, 教授 (10294901)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード安全システム / 高度交通システム / 自動車事故防止 / 安全運転 / 教育 / 運転行動 / 評価 / 遠隔管理
研究概要

近年の情報通信技術の発達にともない自動車に搭載した装置によって同乗せずとも運転者の運転行動を取得して記録したり、通信で車外の管理者に通知したりすることが可能になってきた。そこで、人の認知特性の研究に基づいた安全運転理論に基づいて、安全運転管理教育システム(Assistant System for Safe Driving by Informative Supervision and Training:ASSIST)の開発を行っている。ASSISTは、道路側の基盤整備に頼らず、運転行動の把握のためには、GPS、速度センサ、レーザーレーダ距離計、CCDカメラを用いる。また、人が介在したほうが、教育効果が高いことが予想できるため、危険の判断は自動化するものの助言・警告まで完全に自動化するのではなく、管理者による教育という形をとる。教育内容は、事故件数の多い追突事故と出会い頭事故を主に対象にしている。平成23年度は、普段の運転状況の取得、改良版ハードウェアの開発、ソフトウェアの開発を行った。 普段の運転状況の取得では、過去に車載装置を搭載した運送会社の車両にて運転行動データを記録するとともに、新たに自動車学校の企業向けの安全教育研修に用いる車両に新たに車載装置を設置した。 改良版ハードウェアの開発については、車両の情報を取得するために新たにCANのインタフェースを追加した車載装置の開発を行った。また、自動車学校での安全運転教育の際に、運転者の識別が必要となるため、運転者識別用の車載ハードウェアの開発を行った。 ソフトウェアの開発については、運転者識別の機能によって運転者毎の不安全に関する情報を表示する機能の開発を行った。また、安全運転度の評価シートの検討を行った。さらに、データ通信のネットワークを利用して音声による助言警告を行うソフトウェアの開発も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

普段の運転状況の取得については、過去に車載装置を搭載した運送会社の車両にて運転行動データを記録するとともに、新たに自動車学校の企業向けの安全教育研修に用いる車両に新たに車載装置を設置できたため、順調に進展していると考えられる。 改良版ハードウェアの開発については、車両の情報を取得するために新たにCANのインタフェースを追加した車載装置の開発を行った。車載装置が1台完成し、長期の安定動作は確認していないが、実車での動作テストによりCANによる情報の取得が可能であった。また、運転者識別用の車載ハードウェアの開発を行った。こちらについても実車での動作を確認した。従って、改良版ハードウェアの開発についても、順調に進展していると考えられる。 ソフトウェアの開発については、運転者識別の機能によって運転者毎の不安全についての情報を表示する機能の開発を行った。教育実験にはまだ使用していないが、実車での動作も確認できた。安全運転度の評価シートの検討については、結論がでておらず、予定より遅れている。音声による助言警告については、音質の問題や会話時の操作の問題はあるものの音声による伝達が可能であることを確認した。 以上のことから、遅れている箇所もあるが、多くは予定通りに進んでいるため、全体としては、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

改良版の車載装置の追加開発を行う。23年度に1台開発したCAN対応の車載装置の長期安定動作の確認を行い、問題があれば改良し、追加で2台製作する。運転者識別用ハードウェアについても長期安定動作の確認を行うとともに、操作性について問題がないか調査し、必要な台数分製作する。 ソフトウェア開発において、安全運転管理ソフトウェアについて、運転者識別機能を導入したため、全体の設計を見直し、運転者の情報の有無に対応した安全運転管理ソフトウェアの開発を行う。また、安全運転管理ソフトウェアにて表示や印刷に用いる安全評価シートについても設計を完成させ、実装を行う。 これまでと同様に、運転行動データの記録を継続するとともに、自動車学校における安全運転教育に本システムを使用する教育実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

車載装置についての計画として、車載装置の追加開発のための電子部品等を購入する。また、車載装置からのデータの転送用に通信カードを購入する。 安全運転管理ソフトウェアについての計画として、運転行動データの記録や解析に必要であるため、記録用のハードディスクやサーバや管理用のコンピュータを購入する。 研究成果の発表や公表についての計画として、自動車技術会の大会やITSシンポジウムといった学会への参加の旅費や参加費に使用する。 H23年度の研究費で次年度に使用する予定の研究費が、2,401円ある。これは、金額的に一致する購入対象がなかったため発生した。翌年度以降に請求する研究費と合わせ開発時の電子部品等の購入に使用する。この研究費による研究計画の変更や課題はない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 安全運転管理教育システムASSISTにおけるWeb版一時停止教育用ソフトウェアの開発

    • 著者名/発表者名
      福島達朗、合志和晃、松永勝也、諸永淳一、宮本大地、隅田康明、林政喜
    • 学会等名
      自動車技術会2011年春季大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      平成23年5月
  • [学会発表] Safe Driving Education System by Multimedia and Network

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Goshi and Katsuya Matsunaga
    • 学会等名
      The 2011 International Workshop on Smart Info-Media System in Asia (SISA 2011)(招待講演)
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      平成23年11月
  • [学会発表] 安全運転教育システムASSIST における運転者識別機能を持つ管理ソフトウェアの開発

    • 著者名/発表者名
      福島達朗、合志和晃、松永勝也、林政喜、隅田康明
    • 学会等名
      第10回ITSシンポジウム2011
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      平成23年11月

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi