研究概要 |
本研究は,廃棄物固形燃料の貯蔵・保管時に起こるくん焼・有炎燃焼・爆発の関連因子を,燃料に内在する細菌叢の分布および機能別遺伝子と関連づけ,従来の熱的特性に生物学的特性を加味した廃棄物燃料あるいはバイオマスの貯蔵・保管時における危険性評価および燃料化・貯留・搬送設備の火災安全対策に関する科学的データの提供と提言を目的としている. 本年度は,メタゲノム解析により産地別に収集された廃棄物固形燃料に内在する細菌叢の分布と水素産生に関与する遺伝子を明らかにした. 5種類のRDFに存在する微生物をメタゲノム解析により推定した。509 個の微生物を水素産生菌と非水素産生菌に分けた結果,水素産生菌の割合は,未培養では桑名34%,香肌11,海山14,浜島2,さくら29である.3 日嫌気培養では桑名61,香肌98,海山65,浜島20,さくら62である.水素産生菌189個を分類した結果,未培養では,桑名はClostridium 属40% ,Bacillus 属50%,Janthinobacterium 属10%で,香肌50,38,12,海山29,71,0,浜島100,0,0,さくら46,27,27である.3 日嫌気培養では,桑名3,97,0で,香肌,海山,浜島,さくら100,0,0である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究の目的」の達成度について期間内に明らかにする点が3点ある.初年度は(1)が修了した.(1)メタゲノム解析により産地別に収集された廃棄物固形燃料に内在する細菌叢の分布と機能別遺伝子(エネルギー生産・変換,水素産生,耐熱性等)を明らかにする.(2)産地別の廃棄物固形燃料のくん焼・有炎燃焼・爆発の関連因子(温度上昇率,最高到達温度,水素発生量)と細菌叢の分布と機能別遺伝子の関連性を明らかにする.(3)環境条件(酸素濃度,温度,水分,pH)の変化による,くん焼・有炎燃焼・爆発の要因と細菌叢の分布と機能別遺伝子の関連性の変化を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
バイアル瓶培養実験の費用として, ガスクロ標準ガス,容器, 温度測定用の熱電対・補償導線 24.5万,メタゲノム解析費用(シーケンス外部委託)25.5万, 赤外線加熱乾燥式水分計 30万,実験補助として 20万, 研究成果の国内発表 20万を計上する.
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