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2011 年度 実施状況報告書

海難防止のための小型FRP船のレーダ探知性能向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23510216
研究機関海上保安大学校(国際海洋政策研究センター)

研究代表者

山田 多津人  海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), その他部局等, 教授 (90559220)

研究分担者 水井 真治  広島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (50249843)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードレーダ / 小型FRP船 / RCS
研究概要

1 レーダ映像観測装置の開発研究初年度の平成23年度においては、船舶用Xバンドレーダから小型FRP船のレーダ反射信号をA/D変換してディジタルデータとして取得する計測システム(ハードウェア及びソフトウェア)の仕様設計を行い、専門業者の協力のもと、計測システムの制作を実施した。レーダから出力されるビデオ信号、トリガ信号、船首基準信号及び方位信号を利用し、任意の方位から指定する角度範囲のレーダ映像を、100MHzの高速A/D変換器で変換し、ディジタルデータとして保存可能なシステムとした。アンテナ1回転分のデータ取得から、一定の角度範囲でのデータ取得、また、取得したデータを表示する処理ソフト等、種々の目的の観測に応用可能なシステムとなった。特に、一定の角度範囲でのデータ取得機能は、ストレージ部のメモリ効率を向上させ、かつ、連続したアンテナ回転ごとのデータを取得できる機能を備えた点に大きな特徴・利点がある。2 実海域での試験データの取得とレーダ映像処理手法の検討 1で開発したシステムを利用して、海上保安大学校前面海域において、全長約9メートルの小型FRP船を実験船とした試験データの取得実験を実施した。アンテナから1,000メートル及び1,500メートルの海上に漂泊させた小型FRP船のレーダ映像について、アスペクト角を0度及び90度とした時の条件設定を行うと共に、市販されている一般的なレーダリフレクタ装着時と未装着時のデータ取得を行った。データの取得は問題なく行えたものの、本システムの運用に当たっては、システムの一部機能が想定した性能を下回ったことから(任意の角度設定が十分に機能しない不具合の発生)、原因究明を行い、現在、必要な調整を実施しているところである。また、取得したデータを解析すると共に、具体的なレーダ映像処理手法について、基礎的な検討を継続して実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

レーダ映像観測装置の開発が当初の予定より時間がかかった。これは、装置のノイズ処理や実レーダの信号形式に合わせるために機器を調整すること等が、当初の想定より複雑であったこと等による。しかしながら、一部の機能調整は継続して実施中であるものの、本装置を使用した実海域での試験データ取得を研究の初年度に実施できた意義は大きい。

今後の研究の推進方策

次年度は、実海域でのデータ取得を継続して実施し、データ処理方法の検討を更に進めると共に、当初の計画である小型FRP船の表示特性の検討及びレーダ反射器等の付加物による効果・影響の実態解明を実施する。

次年度の研究費の使用計画

観測装置の開発遅延により、予想外の必要経費の発生する恐れもあったことから、データ取得・処理用PC等の購入を控えざるを得なかった。このため、次年度使用額が発生している。予定の経費内で、装置の開発はほぼ完了したことから、次年度は必要な能力のPC等を購入し、データ処理を効率的に実施可能な環境を整えると共に、必要な情報収集や研究成果の取りまとめ、対外的な発表を実施する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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