研究課題
本年度は最終年度であり、従来の研究成果の取りまとめと公表を中心に行った。霧島新燃岳2011年噴火噴出物の分析から、火口溶岩の噴出直後を代表する試料について溶岩の粘性を推定し、ドレインバックの可能性を検討し、大規模なドレインバックは考え難いことを指摘する論文をEarth, Planets and Spaceの新燃岳特集号に掲載した。この内容は7月に鹿児島で行われた国際火山学会(IAVCEI)で口頭発表した。溶岩の結晶作用に伴う粘性係数の測定実験は、イタリアのブルカネロ火山のshoshoniteについての結果をJournal of Mineralogical and Petrological Scienceに掲載した。この岩石の場合は長柱状の単斜輝石がリキダスであり、同じ結晶量でも固相の相互作用による相対粘性係数が大きくなることが示された。この結果を合わせてこれまでの結果を国際火山学会のRHEAワークショップで講演した。上記の新燃岳火口溶岩のドレインバックについては火口からの溶岩流下の式が火口形状による効果を無視して計算したが、その妥当性について、アナログ実験を行い、火口溶岩の効果は20%以下であることを確かめた。この結果は日本火山学会秋季大会のポスターで発表した。新富士火山噴出物について、斜長石と液の元素分配関係から噴火直前のマグマ含水量を推定し、噴火様式との関係を検討し、解析結果を纏める予定であったが、単純な結果にはならずまだ纏めきれていない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Earth, Planets and Space
巻: 65 ページ: 623-631
:10.5047/eps.2013.05.018
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences
巻: 108 ページ: 144-160
:10.2465/jmps.120724
http://www.geocities.jp/hsato47/