| 研究課題/領域番号 |
23510229
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| 研究機関 | 富士常葉大学 |
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研究代表者 |
重川 希志依 富士常葉大学, 環境学研究科, 教授 (10329576)
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| 研究分担者 |
田中 聡 富士常葉大学, 環境学研究科, 教授 (90273523)
木村 周平 富士常葉大学, 環境学研究科, 准教授 (10512246)
河本 尋子 富士常葉大学, 環境学研究科, 講師 (10612484)
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| キーワード | 東日本大震災 / 市町村合併 / エスノグラフィー / 広域応援 / 都市間連携 |
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| 研究概要 |
昨年度に引き続き、平成の合併で複数の自治体が一つとなったケースに着目し，東日本大震災発生以降の様々な災害対応に合併が及ぼした影響を分析することとした。具体的には各自が東日本大震災の被災地をフィールドとして、現地調査を行い研究を進めた。
本庁には災害対策本部、各総合支所には各々災害対策支部が設置されるが、災害対策本部と災害対策支部の関係性や意思決定の仕組みが不明確であった。東日本大震災時における災害対応において、市町村合併に伴い生じた課題ならびにもたらされた効果を検証し、震災対応上の影響を分析した結果、以下のことが明らかとなった。
1)本庁には災害対策本部、各総合支所には各々災害対策支部が設置されるが、災害対策本部と災害対策支部の関係性や意思決定の仕組みが不明確であった。2)上述したことに伴い、総合支所間の避難者受入、避難所や仮設住宅用地の調整、職員の応援派遣などに関して、本庁(災害対策本部)での調整機能が充分に発揮されなかった。3)直後の被害調査や被災者対応窓口業務のあり方などに関して、本庁(災害対策本部)で統一した指示が出されなかった。4)各総合支所においては、管内住民に対する対応が前提であり、地区外住民への対応をどこまで実施すべきか、事前に明確に定められていなかった。5)本庁は、全市的な災害対応と管内(旧石巻市)の被災者対応の二重の業務を担う必要があったために、多大な労力を要した。6)合併から数年目に発生した東日本大震災の災害対応を通じて、今後、各総合支所の個別の災害対応能力の向上とともに、本庁と各総合支所の役割を重層的に見直し、それに沿った訓練を積み重ねていくことが必要である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究着手直前に東日本大震災が発生したことにより，研究課題である市町村合併が自治体の危機管理対応に与える諸課題あるいは効果を，現実の危機事象を対象として検証することとなった。災害の規模が大きいために、調査対象地域も限定されてはいるが、各自が特定のフィールドにおけるエスノグラフィー調査を継続することにより、予想もしなかった未曽有の大災害時に災害対応の現場(自治体)で発生している事実を丁寧に記録し続けており、その観点では，当初に設定した目的に関し，おおむね順調に進展していると考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
東日本大震災発生から2年が経過したため、復旧~復興のフェーズに分析対象を拡大するとともに、災害時の自治体広域応援の視点を含め、最終成果に向けて議論を進める。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、復旧~復興のフェーズに分析対象を拡大するとともに、災害時の自治体広域応援の視点を含め、最終成果に向けて議論を進めていくため、現地調査ならびにグループインタビュー調査、ワークショップ開催などを計画している。
このため物品費として、調査内容の記録やワークショップ開催用の消耗品を購入する予定である。また、旅費として、現地調査ならびにグループインタビュー調査、ワークショップ開催などを実施するための研究メンバーの旅費を予定している。さらに、被災した自治体の災害対応に関わる各種資料等の資料整理ならびにデータ入力をおこなうための謝金を予定している。その他インタビュー調査で得られた音声の証言記録を文字化するための経費ならびに、報告書印刷費を予定している。
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