研究課題/領域番号 |
23510230
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 克彦 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (00367997)
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研究分担者 |
深川 良一 立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
酒匂 一成 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (20388143)
藤本 将光 立命館大学, 理工学部, 助教 (60511508)
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キーワード | 斜面崩壊 / 地下水位 / 野外モニタリング / 超音波 / 透水試験 |
研究概要 |
再度の落雷事故に会い、野外モニタリング実験が中断された。野外モニタリングシステムの見直しを行うとともに、屋内用測定器で基礎実験を進め、以下の成果を得た。 1.測定器の再設計と避雷ボックスの追加により、落雷対策を強化した野外モニタリングシステムを設計・製作した。検出導波管を埋設しているガイドパイプの上部が地上に出ているため落雷を受けやすい。そこで、測定器側だけでなく、各チャンネルの検出器導波管側にも避雷器とアース棒を設置し、さらに各検出器と測定器の間を2芯同軸ケーブルで接続するなどの対策を行った。これにより、その後落雷事故が発生していない。 2.つくば防災科学技術研究所で実大斜面(横幅9m、高さ4.5m、斜面7m)を用いた屋内人工降雨実験を行い、斜面が崩壊に至るまでの水分水位変化をモニタリングした。場所と深さを変えた5個所で測定した水位の変化は、併設したテンシオメータの水位計測データと良い一致を示した。これより超音波水位計測の有効性が確認された。 3.屋内で水分計測の定量評価実験を行った。平均粒径0.26mmのほぼ均一な豊浦標準砂に対して湿潤ー乾燥のサイクル試験を3回繰り返し、併設した誘電率水分計のデータに近い水分量変化を確認した。これより豊浦標準砂に対して水分の定量計測の見通しが得られた。 4.水分水位モニタリング用超音波導波管を兼用した原位置透水試験法を新たに提案し、その基礎実験を行った。原理的に単孔式ピエゾメータ法と同じ方法であるが、パイプが細いため従来法に比べて現場で容易に設置して測定できる利点がある。測定面積が小さいのでその有効性についてさらに検討していく。得られたデータをもとに特許を出願した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度に、落雷事故により野外でのモニタリング実験が中断された。その後測定器を修理して実験を再開したが、再度の落雷事故に会い、実験の遅れを解消できていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度にモニタリングシステムを再設計して、落雷対策を強化した。これを用いて野外モニタリング実験を行う。 水分の定量計測や昨年度提案した透水試験の基礎実験についても引き続き行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2度の落雷事故により野外モニタリング実験の機器が損傷して、モニタリング実験が予定通り進行していないため。 昨年度にモニタリング機器を再設計して、落雷対策を強化した。今年度これを用いて野外モニタリング実験を継続するための費用として使用する。また、昨年度に引き続いて行う水分定量計測や透水試験の基礎実験の費用として使用する。
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