初期の積乱雲や竜巻・ガストフロントなどの挙動を捉えることは、科学的にメカニズムを解明するだけでなく防災上も重要である。そこで本研究では、屋外設置型の積乱雲監視カメラシステムを構築し、校舎屋上(横須賀)に設置し、首都圏をカバーする南関東における積乱雲発生を5年間通年で観測した。現有器材であるドップラーレーダー等を用いた観測、夏季の特別観測(雲の測量観測)を同時に実施し、つくば竜巻や越谷竜巻をもたらしたスーパーセル、竜巻の親雲、ダウンバースト、ガストフロント、積乱雲の発生初期の構造を明らかにした。また、本研究で得られたデータは、防災啓発資料としても広く用いられた。
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