一般に癌細胞においては、様々な遺伝子の増幅や欠失が認められ遺伝子発現および発現制御機構が乱されている。本研究においては、ヒトの乳癌細胞株や特殊なリンパ腫細胞株に見いだした染色体上の遺伝子が増幅している領域に注目して、分子レベルではどのような構造になっているのか明らかにして疾患原因を解明することを目的としてFISH法による解析を試みた。その結果、乳癌細胞株HCC1143株においてNOTCH3遺伝子コピー数増加と遺伝子増幅を明らかにした。原発性体腔内リンパ腫(PEL)細胞株において癌細胞の浮遊性細胞増殖に関わる共通増幅領域をゲノム上で絞り込んだ。まだ疾患原因候補遺伝子の特定には至っていない。
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