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2011 年度 実施状況報告書

核内構造体パラスペックル形成の分子機構・核内分布様式と生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 23510247
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

佐々木 保典  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 研究員 (30312242)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード核内構造体 / パラスペックル / ノンコーディングRNA / ゲノム
研究概要

(2)-1パラスペックル(PS)形成の分子機構 マウスNIH3T3細胞にヒトBACを導入することにより、マウス細胞中でヒトMEN RNAを異所発現し、内在性PSに加えて、外来性PSを形成するヘテロな系を構築した。この外来性PSはヒトRNAを核として、マウスPSタンパク質が集合したヘテロなPSである。興味深いことに、内在性PSと外来性PSは常に独立して存在し、マウスRNAとヒトRNAとは、PS間でシャトルしないことが示唆された。次に、マウスNIH3T3細胞をフルオロウリジンでラベルして、PS間のRNAの移動を観察したところ、内在性マウスPS同士においてさえRNAのやり取りが見られなかった。このことは転写と共役したPS形成モデルを強く支持すると共に、新たに転写されたRNAが既存のPSに供給されないことを示唆しており、核内構造体形成モデルに新たな一例を加えるものである。(2)-2 PSの核内分布様式と標的の同定今年度は予備的実験を行い、PSとPSタンパク質遺伝子座位との相互作用を示唆する結果を得た。HeLa細胞やLNCap細胞を用いPSタンパク質遺伝子座位(NONO、SFPQ、PSPC1など)のDNA-FISHとPSの抗体染色を同時に行い、一定の頻度でPSタンパク質遺伝子座位がPSと共局在することを見出した。また、男性ホルモン依存的に誘導されるTMPRSS2遺伝子座位は、LNCap細胞において高頻度でPSと共局在するが、HeLa細胞では極めて低頻度であった。さらに、beta-actinやGAPDHのようなハウスキーピング遺伝子もPSに共局在することから、発現が活性化された遺伝子座位がPSに集約するか、そのような部位にPSが移動する可能性がでてきた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

競合する海外の研究者から、極めて似たアイデアによる研究成果の報告がなされたことを受け、研究戦略の修正を行った。そのため、予備的、調査的な実験に多くの時間と労力を費やしたため、当初目論んだよりも進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

パラスペックル近傍に集約されるゲノム領域の情報を網羅的に解析する。その際、予備実験の検討結果より、当初の予想より多くの遺伝子座位が集約されることがわかってきたので、解析規模を拡大する必要がある。また、細胞集団を可能な限り均一化することが実験の再現性を高め、得られるデータを高品質化するのに必須であると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

パラスペックル近傍に集約されるゲノム領域が濃縮されたライブラリー作製。ならびにその配列情報取得・解析のために研究費を使用する。

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公開日: 2013-07-10  

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