研究課題
本研究では、シロイヌナズナの二次代謝生合成と転写因子の基盤研究から得られた知見を基に、シロイヌナズナには存在しないイソフラボノイド経路を有する実用植物を材料とし、DNAアレイによる遺伝子共発現ネットワーク手法を用いて、イソフラボノイド生合成に関与する転写因子の単離と機能解析を行う。実用植物における二次代謝産物の遺伝子機能解析を効率化する手法としてネットワーク解析の有益性を実証し、新しい研究手法の道筋を示すことを目指した。イソフラボン配糖体を高蓄積するジャーマンアイリス(Iris germanica)の培養不定根を用いた次世代シークエンスデータ(イルミナ社Hiseq1000によるRNA-Seq解析)から、Agilent社のフリーソフトeArray7を用いてDNAマイクロアレイをデザインし構築した。ジャーマンアイリスの不定根は固体培地から液体培地に移植するとイソフラボノイド生合成が活性化されることが明らかにされている。イソフラボノイド生合成に関与する転写因子の単離を目的として、移植後の時系列培養細胞(0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、14日、21日、28日)から、それぞれ全RNAを調整した。作成したDNAマイクロアレイを用いて、3反復によるジャーマンアイリスの培養細胞で時系列遺伝子発現解析を実施した。ネットワークの描画トポロジーに注目して相関係数の閾値を自動的に決定する金平糖アルゴリズムを適用し共発現遺伝子群を選出した。本研究での金平糖アルゴリズムを用いた共発現遺伝子を効率的に行う且つ、ユーザーフレンドリーなツールに改良するために、金平糖JAVA ネットワーク解析ソフトの改良し、金平糖JAVA-GUI解析ソフトを開発した。現在、金平糖JAVA-GUI解析ソフトを用いて、イソフラボノイド生合成に関与する転写因子の候補を選抜し、遺伝子のクローニングと機能解析を継続中である。
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