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2012 年度 実施状況報告書

投げ縄構造を有する抗結核ペプチド、ラリアチンの改変と化合物ライブラリーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 23510282
研究機関北里大学

研究代表者

猪腰 淳嗣  北里大学, 薬学部, 准教授 (30151640)

キーワード感染症 / 抗生物質 / 抗結核活性 / ペプチド / 構造活性相関
研究概要

昨年度に引き続き、ラリアチン変異体を作成し、構造活性相関について検討した。昨年度各種アラニン置換体の検討から明らかにしたラリアチンの生産および抗結核菌活性の発現に重要なアミノ酸残基について、アラニン以外に置換した場合の生産および抗結核菌活性を検討した。その結果、これらのアミノ酸残基の極性と活性に相関性があることが明らかとなった。また、投げ縄構造を維持するために必須と考えられるアミノ酸残基を同定した。これらの知見は強力なラリアチン誘導体を創生するための基盤となるとともに、ラリアチンの標的分子との相互作用を知るための有用な情報となると期待される。
試験管内ラリアチン生産系を確立するために、ラリアチン前駆体タンパク質の大腸菌による発現系を構築した。すなわち。ラリアチン前駆体をコードするlarAを大腸菌発現ベクターpET42bに連結し、ラリアチン前駆体タンパク質のC末端にヒスチジンタグを付加した融合タンパク質を作成した。今後、larA欠損Rhodococcus jostiiの無細胞抽出液を用いてラリアチンの翻訳後修飾をin vitroで検討する予定である。
プロペプチンはラリアチンと同様な投げ縄構造を有すが、Gly-Aspで環状構造を形成しており、両者では環化酵素の基質特異性が異なっていることが予想される。そこで、プロペプチン生産菌Microbispora rosea IFO14044のゲノムよりプロペプチン生合成遺伝子を取得を試みた。M. rosea IFO14044のゲノムDNAより次世代シークエンサーを用いてドラフトゲノム配列を取得した。これをプロペプチンのアミノ酸配列を用いて検索したところ、プロペプチン前駆体をコードする領域を見出した。さらに、その近傍にはラリアチン生合成遺伝子群と相同性の高いORFがあり、この領域にプロペプチン生合成遺伝子群がコードされていると推定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各種アミノ酸変異体の作成と構造活性相関については当初予定していた成果が得られたものと考えている。
In vitroラリアチン生産システムの構築は当初予定より約半年ほど遅れているが、大腸菌を用いた基質となる前駆体タンパク質の調製が終了した。
プロペプチン生合成遺伝子に関して、次世代シークエンサーによるドラフトゲノム配列を取得し、生産菌のゲノム上にターゲット遺伝子を見出すことに成功した。

今後の研究の推進方策

構造活性相関研究の成果から、最も強力な活性を示すと期待される変異体を作成し、生物活性を評価する。また、投げ縄構造を保持するために必須となるアミノ酸の位置を変えることによって、投げ縄部分の大きさが異なる変異体の作成を試みる。
In vitroラリアチン生産システムの構築について、大腸菌で調整した前駆体タンパク質を用いて、生産菌の無細胞抽出液を用いたラリアチンの合成と生合成機構の解明へ進める。
M. rosea IFO14044のゲノム上に見出したプロペプチン生合成遺伝子群を同定し、翻訳後修飾にかかわる酵素の機能を解析し、対応するラリアチンの生合成酵素と比較する。

次年度の研究費の使用計画

今年度外部発注で発生した経費について、次年度に支出する予定である。
そのほか、主に試薬等の消耗品で使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗結核活性を示す放線菌由来投げ縄ペプチド・lariatin の生合成機構の解析とアミノ酸置換変異体の構造活性相関

    • 著者名/発表者名
      猪腰淳嗣, 供田 洋
    • 学会等名
      天然薬物の開発と応用シンポジウム
    • 発表場所
      大阪

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公開日: 2014-07-24  

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