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2011 年度 実施状況報告書

ケミカルアレイによるヘッジホッグ伝達経路の阻害剤探索

研究課題

研究課題/領域番号 23510287
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

近藤 恭光  独立行政法人理化学研究所, 化合物ライブラリー評価研究チーム, 専任研究員 (80333342)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードケミカルアレイ / Shh
研究概要

分泌タンパク質であるソニックヘッジホッグ(Shh)は、正常な胚発生に必須なタンパク質であるが、基底細胞腫、骨芽細胞腫、膵臓癌などの癌細胞においてShhシグナル伝達経路の異常な活性化が報告されており、抗がん剤の標的タンパク質として非常に注目されている。独自に開発したケミカルアレイを用いて、Shhに直接結合する小分子化合物を約3万種の天然物及び天然物誘導体から探索を行い、Shhシグナル伝達経路阻害剤の創出を行うことを目的としている。今年度は、3万種の天然化合物および天然化合物誘導体を光親和型固定化法により固定化したケミカルアレイを作製し、Shhリコンビナントタンパク質に結合する化合物の探索を行った。ケミカルアレイのアッセイ条件を検討するために、タンパク質及び抗体の組合せをかえてスクリーニングを行った。タンパク質としては、ヒトとマウスのShh N末端ペプチド(Shh-N)を用い、それぞれのC末端にHis6タグを有しているものと有していないものを用いた。また、抗体としては、市販で入手可能な抗His抗体、抗マウスShhポリクローナル抗体、抗ヒト/マウスShhモノクローナル抗体を用いた。その結果、29,893化合物の中から、トータルで322種のShh結合候補化合物を見いだし、その中で二つ以上の抗体で検出された化合物が48種あった。今後、48種の候補化合物から優先的にShhに対する結合活性及び結合特異性を解析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度計画していたShhタンパク質のスクリーニングを終了し、結合候補化合物を見いだしている。

今後の研究の推進方策

アレイヒット化合物とShhタンパク質との物理化学的相互作用を解析するために、SPRイメージングを利用する。これは、ケミカルアレイと同様の手法で、金チップ上に小分子化合物を固定化し、非標識のタンパク質と金チップ上の小分子化合物との結合を表面プラズモン共鳴(SPR)により検出する方法である。SPRイメージングでは、SPRシグナルを2次元像として検出することができ、一度に96種の小分子化合物とタンパク質との相互作用が解析できる。SPRイメージングは、ケミカルアレイと異なり、タンパク質に標識がいらないため、タグや抗体の影響を排除したタンパク質-小分子化合物の相互作用が検出できるという特徴がある。アレイヒット化合物及びその類縁体を固定化したSPRチップを作製し、Shhタンパク質とヒット化合物の相互作用を解析し、ヒット化合物の結合特異性、結合の強さを明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度では当初の計画以上にスクリーニングが順調に遂行することができ、Shh結合候補化合物を見つけ出すことができた。平成24年度では、ヒット化合物の絞り込みのために、ヒット化合物とShhタンパク質との物理化学的相互作用の解析をSPRイメージングにて行う予定である。想定以上に候補化合物が多く、当初の計画よりもこの解析に研究費が必要なため、平成23年度の研究費の使用を極力抑え、次年度に使用することとした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of the predicted phospholipase LYPLAL1 reveals unexpected functional plasticity in spite of close relationship to acyl protein thioesterases.2012

    • 著者名/発表者名
      Burger, M. et al.
    • 雑誌名

      Journal of lipid research

      巻: 53 ページ: 43-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Xanthohumol Impairs Autophagosome Maturation through Direct Inhibition of Valosin-Containing Protein.2012

    • 著者名/発表者名
      Sasazawa, Y. et al.
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: 掲載確定 ページ: 掲載確定

    • 査読あり
  • [学会発表] p38γおよびp38δ特異的阻害剤探索のための化合物アレイの改良2012

    • 著者名/発表者名
      近藤 恭光、他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2012年度大会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府)
    • 年月日
      2012年3月23日
  • [学会発表] 細胞周期 G2/M 期に作用する小分子化合物の構造活性相関研究2012

    • 著者名/発表者名
      高木隆吉、他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2012年度大会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府)
    • 年月日
      2012年3月23日
  • [学会発表] Xanthohumolのautophagy制御機構解析2012

    • 著者名/発表者名
      金墻 周平、他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2012年度大会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府)
    • 年月日
      2012年3月23日

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公開日: 2013-07-10  

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