本研究における「新しい狩猟活動」とは、プロフェッショナル・ハンターや農業者による獣害対策目的の狩猟、ローカルな文脈から乖離している狩猟活動をいう。本研究計画「新しい狩猟活動の生成に関する地域間比較研究」の目的は、各地で消滅しつつある狩猟活動の維持と生成にかかわる人びとに着目しながら、1)「新しい狩猟活動の生成」の実態を詳細に明らかにし、2)地域資源の持続可能な利用について検討したうえで、2)日本とアフリカの事例を比較し、野生動物保護管理における狩猟文化の位置づけを検討することである。里山的自然環境が多い日本とアフリカの事例を相互に関係づけることで、アメリカ型のワイルドライフ・マネージメントとは異なる、「地域に根差した野生動物保全」の可能性を見出すことを目指し、調査研究を実施した。平成26年度は、アフリカおよび日本(福島県)で昨年度からの継続調査をおこなった。それらの成果は、日本アフリカ学会第51回学術大会において「エチオピア西南部の観光開発と地域社会:農耕民アリによる観光への参入」、第20回野生生物と社会学会大会において、「アフリカの野生動物保護区管理への民間セクターの参入犬山大会」のタイトルで報告をおこなった。
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