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2012 年度 実施状況報告書

紛争後の市民社会支援の課題と展望

研究課題

研究課題/領域番号 23510307
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

桑名 恵  お茶の水女子大学, グローバル協力センター, 講師 (80596073)

研究分担者 内海 成治  京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80283711)
キーワード東ティモール / アフガニスタン / 東北 / 南スーダン / 市民社会 / NGO
研究概要

本年度は、東日本大震災の被災地、東ティモールおよびアフガニスタンにおいて、住民、援助関係者、政府関係者を対象に、市民社会支援の新しい動向、課題について、調査を実施し、前年度に行った政策分析結果と統合して分析を行った。
東日本大震災における市民社会支援の状況は、特定非営利活動法人ジャパンプラットフォーム、公益社団法人シビックフォースによる活動を主な分析対象とし、市民団体の支援の動向、国際NGOの役割を、調整、「つなぐ力」に焦点を当て、気仙沼、陸前高田、仙台にて調査を行い、考察、分析に関して、国際開発学会、人間の安全保障学会において発表を行った。
アフガニスタンに関しては、治安状況によりフィールド調査が困難であったため、2012年6月に日本政府主催「アフガニスタン東京会合」のパラレルイベントとして行われた「アフガニスタンCSO-アフガニスタン市民社会を迎えてー」の際に来日した、アフガニスタンの30余りのCSOの代表からヒアリングを行い、同会合の記録を冊子にまとめた。治安が悪化する中、多額の国際社会の支援において行われる支援の課題が浮き彫りになった。
東ティモールについては、8月および3月に現地調査を行い、2006年の暴動以降のコミュニティの変容を、2006年の暴動前に行った調査と同様の手法を用い、地域の固有要因、社会関係資本の点からのデータ収集を通じて、フォーカスグループディスカッション、非構造化インタビュー調査、アンケート調査を実施した。結果分析は終了していないが、途中時点の考察を、日本平和学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・東ティモールで現地調査を実施し、同国の市民社会発展にかかわる政策分析に加え、コミュニティの住民に焦点を当て、社会関係資本、市民社会論をもとにした、質的調査、量的調査が終了した。
・前年度の調査で浮き彫りになった、市民と政策を「つなぐ役割」、「調整」という新たな視点を加え、南スーダンの分析を進め、東北における被災地支援における「調整」の役割に関して比較分析することで、さらなる考察を深め、論文をまとめることができた。
・治安が悪いアフガニスタンであるが、国際会議の折に、アフガニスタンの市民社会組織が来日する機会を利用して、ヒアリングを行った。また国際会議の主要なスピーチ、提案について冊子にまとめることができた。

今後の研究の推進方策

・東ティモール調査:本年度行った調査結果を分析し、南スーダン、アフガニスタン、東北における市民社会支援の動向、課題から比較検討することで、論点をさらに整理し、未解明の点について、現地調査を行う。
・南スーダン調査:独立後数年を経た南スーダンの現場を再度調査し、グローバルな枠組みによる支援政策と個人やコミュニティの思いや事情から必要とされる市民社会構築の在り方とのギャップの分析をさらに深める。
・東日本大震災被災地調査:「つなぐ役割」に着目し、グローバルな枠組みと現地の固有の要素をどの程度折衷させることで、質の高い、これまでの課題を乗り越えた市民社会支援の枠組みを作ることができるのか、陸前高田、気仙沼の事例をさらに調査する。
・アフガニスタン、南スーダン、東ティモールの海外の平和構築の事例と、東北の事例を比較検討しながら、市民社会支援の現状と課題を、政策論、地域研究論を取り混ぜた方法で分析し、最終的な考察に導く。

次年度の研究費の使用計画

・東ティモール、南スーダン現地調査(渡航費、日当宿泊費、現地移動費、研究補助、通訳費、研究補助費、書籍代、統計分析ソフト、ポータブルプリンター)
・東日本大震災の市民社会支援政策の分析(旅費、日当宿泊費、研究補助費、書籍代)
・上記調査にかかわる関連書籍
・学会発表、論文作成にかかわる経費(英文校正費、旅費、日当宿泊費)
・その他消耗品費

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 「東日本大震災における外部者性からの考察」

    • 著者名/発表者名
      桑名恵
    • 学会等名
      国際開発学会
    • 発表場所
      横浜国立大学
  • [学会発表] 「紛争後の国づくりにおけるコミュニティ開発の変遷」

    • 著者名/発表者名
      桑名恵
    • 学会等名
      日本平和学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 東日本大震災支援における、国や組織を超えた連携、調整

    • 著者名/発表者名
      桑名恵
    • 学会等名
      人間の安全保障学会
    • 発表場所
      愛知大学
    • 招待講演
  • [図書] アフガニスタン東京CSO会合実行委員会2013

    • 著者名/発表者名
      アフガニスタンに関する東京会合 CSOパラレルイベント アフガニスタンの市民社会を迎えて
    • 総ページ数
      212ページ
    • 出版者
      アフガニスタンに関する東京会合CSO実行委員会、桑名恵、坂部有佳子、平井礼子編
  • [図書] FOCAL POINT OF JAPAN CIVIL SOCIETY STEERING COMMITTEE FOR AFGHANISTAN TOKYO CONFERENCE2013

    • 著者名/発表者名
      AFGHANISTAN TOKYO CSO CONFERENCE 2012 VOICES FROM AFGHAN CIVIL SOCIETY REPORT
    • 総ページ数
      212ページ
    • 出版者
      FOCAL POINT OF JAPAN CIVIL SOCIETY STEERING COMMITTEE FOR AFGHANISTAN TOKYO CONFERENCE, MEGUMI KUWANA, YUKAKO SAKABE, REIKO HIRAI

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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