研究概要 |
最終年度にあたる本年度は、南スーダン現地調査および東ティモール現地調査の分析、アフガニスタンからの研究協力者招聘によるヒアリング、東北調査を実施した。各調査の概要は以下の通り。 ・南スーダン 援助機関および市民社会関係者への市民社会支援の成果と課題に関わるヒアリングを通じて、欧米型の市民社会支援とローカリティの融合に関わる課題、テーマ別プラットフォーム形成を通じての紛争後の市民社会形成の可能性に関わる考察を行った。 ・アフガニスタン ドナー主導型ではない形の支援がどのように可能になるのかを検討するため、協力団体が実施する現地NGO, CSOに対する能力強化事業を通じて、意見収集を行った。 ・東ティモール 2006年2度目の危機後の復興過程におけるコミュニティへの影響を調査し、ソーシャルビジネスの手法を使った中長期の外部支援がもたらしたコミュニティへの影響についてグループディスカッションおよびアンケート調査を実施し、社会関係資本の手法を用いて、分析した。 ・東北調査 海外の紛争後の支援の仕組みを用いて取り入れられた連携調整の仕組みが、復興プロセスのまちづくり、市民社会形成にどのような役割を果たしたのか、マルチアクター関与できるプラットフォーム手法がどの程度効果的なのか、陸前高田を事例にヒアリングを実施した。 上記、4つの事例の調査を通じて、グローバルな関係性がもたらす外部者の影響とローカリティのバランス、非西洋型市民社会構築の重要性が浮き彫りになった。
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