研究課題/領域番号 |
23510313
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 晶子 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任准教授 (90467522)
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キーワード | 国際研究者交流 / ブータン / 農村開発 / 経済格差 |
研究概要 |
平成25年度は、当初の計画通り、ブータン西部で現地調査を行った。ウォンディフォダン県のジェナ地区と、同県のフォブジカ地区において、ブータン農業省と共同で聞き取り調査を行った。 今年度の調査では、コミュニティ内の経済格差を考える際に、ブータンで行われている二か所の住居・土地を伴う季節移動を視野に含めることの重要性が示唆された。調査を行った上記二つの地区においては、多くの住民が夏と冬の二つの居住地を持ち、それぞれに農地を保有しており、その間を季節移動しながら、生業を営んでいる。人や、モノ、カネ、労働力の移動を考察する際には、それぞれの場所で、その周辺に住む人々との労働の交換や、農産物の取引が行われており、その事実をよく勘案したうえで、コミュニティ内の格差の問題を考察すべきことが明らかになった。 調査の結果については、ブータン農業省関係者、ブータンで活動する援助団体関係者、農村開発に詳しい研究者との意見交換をおこない、実践の方向性を含む有意義な知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の「研究の目的」に記載した、(1)「経済格差」の定義、(2)畑作地と稲作地での経済格差の創出の比較、(3)政策やプログラムへの示唆について、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、本研究課題の最終年度にあたり、研究計画に当初記したように、特に成果の発表、共有、意見交換を重点的に行う。これまでのカウンターパートであるブータン農業省にくわえ、ブータンの農業カレッジにあたるCollege of Natural Resourcesに所属する研究者とも、積極的に意見交換を行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
ブータンでの現地調査が、計画当初の見込みよりも順調に進み、それに関連する経費が少なくすんだため。 調査地と日本国内外において、研究の成果を発表するとともに、データの整理、データのギャップを補うための追加の調査等に使用する。
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