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2012 年度 実施状況報告書

現代中国における所有権改革の基礎的研究-基層社会の政治社会学的考察を通して―

研究課題

研究課題/領域番号 23510318
研究機関島根県立大学

研究代表者

江口 伸吾  島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (20326408)

キーワード現代中国 / 社会主義市場経済 / 所有権改革 / 物権法 / 基層社会
研究概要

平成24年度は、二年目の研究目的として、①本研究に関連する文献資料を収集・精読して研究状況を整理し、②海外でのヒアリング調査を実施して、実証研究を進めることに主眼を置いた。資料収集では、昨年度に引き続き、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)といった雑誌資料、並びに『人民日報』『新華日報』等の新聞資料を整理するとともに、陳華彬『建築物区分所有権』(中国法制出版社、2011年)、張雲華『中国農地流転問題調査』(上海遠東出版社、2012年)などの新しく刊行された文献資料を精読し、逐次研究状況を確認した。また海外でのヒアリング調査では、中国の北京において、中国財政部財政科学研究所を訪問し、所有権改革問題に関する取り組みを聞き取りした。
以上の研究活動を踏まえて、その研究成果として、『転形期における中国と日本―その苦悩と展望―』(共著、飯田泰三・李暁東編、国際書院、2012年10月、第5章「社会主義市場経済体制における所有権改革と基層社会の変容―物権法と転形期の政治社会―」を分担執筆)を公表した。本論では、2007年3月16日に制定された物権法をめぐって、その成立の過程におけるさまざまな論争を紹介しながら所有権改革が社会主義体制の根幹に関わっていることを紹介し、またそれが都市と農村の基層社会に与えた影響を明らかにしている。
また、『NEAR News』第43号(島根県立大学北東アジア地域研究センター、2013年3月、12~13頁)において、「北東アジア時事通信/中国共産党第18回党大会の開催と政治改革の行方」を公表し、本研究と関連する近年の政治改革の動向を紹介した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究成果として、第一にあげられることは、『転形期における中国と日本―その苦悩と展望―』(共著、飯田泰三・李暁東編、国際書院、2012年10月、第5章「社会主義市場経済体制における所有権改革と基層社会の変容―物権法と転形期の政治社会―」を分担執筆)を公表できたことである。本研究の二年目において、当初の計画にはなかった学術書としての研究成果公表となり、この点に関しては、「(1)当初の計画以上に進展している」と言える。
他方、海外でのヒアリング調査では、若干の遅れが出ており、この点に関しては「(3)やや遅れている」と言える。その原因としては、2012年度の日中関係の悪化や中国共産党第18回大会を控えて政治的に敏感な状況が続き、現地調査が難しい状況となったことがある。ただし、そのような状況のなかにおいて、中国財政部財政科学研究所を訪問して、所有権改革に関するヒアリング調査をできたことは、貴重な成果であった。
以上の研究の進捗状況を総じてみると、「(2)おおむね順調に進展している」という状況にある。

今後の研究の推進方策

平成23・24年度と同様、『法制与社会発展』(吉林大学)、『法治研究』(浙江省法学会)、『民主与法制』(中国法学会)、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)、『中国政治』(人民大学)などの雑誌資料、並びに『人民日報』『新華日報』等の新聞資料、その他の新しく刊行される文献資料を精読し、逐次研究状況を確認する。
また、本年度は、本研究の最終年度にあたり、学会や研究会での報告および論文作成という形で、研究成果を公表する。とくに10月頃を目途にして、アジア政経学会、日中社会学会、日本国際政治学会、北東アジア地域研究センター研究会(島根県立大学)、政治学研究会(成蹊大学法学部)といった学会、研究会での議論を踏まえ、補助調査(海外・国内の研究機関)を実施の上、年度末を目処に論文を公表する。

次年度の研究費の使用計画

①平成23・24年度と同様、『法制与社会発展』(吉林大学)、『法治研究』(浙江省法学会)、『民主与法制』(中国法学会)、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)、中国政治』(人民大学)といった雑誌資料、並びに『人民日報』『新華日報』等の新聞資料、その他の新しく刊行される文献資料を精読し、逐次研究状況を確認する。(⇒物品費、旅費、その他)
②学会・研究会報告および論文作成という形で、研究成果を公表する。10月頃を目途にして、アジア政経学会、日中社会学会、日本国際政治学会、北東アジア地域研究センター研究会(島根県立大学)、政治学研究会(成蹊大学法学部)といった学会、研究会での議論を踏まえ、補助調査(海外、国内の研究機関)を実施の上、年度末を目処に論文を公表する。(⇒旅費、印刷費、その他)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 北東アジア時事通信/中国共産党第18回党大会の開催と政治改革の行方2013

    • 著者名/発表者名
      江口伸吾
    • 雑誌名

      NEAR News

      巻: 43号 ページ: 12~13頁

  • [図書] 転形期における中国と日本―その苦悩と展望―2012

    • 著者名/発表者名
      飯田泰三・李暁東編
    • 総ページ数
      319頁(155~177頁を分担執筆)
    • 出版者
      国際書院
  • [図書] 日中関係史1972-2012 I政治2012

    • 著者名/発表者名
      高原明生・服部龍二編
    • 総ページ数
      501頁+37頁(315~342頁を分担執筆)
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [備考] 教員情報検索:島根県立大学 総合政策学部 総合政策学科 江口 伸吾

    • URL

      http://usri.u-shimane.ac.jp/Profiles/1/0000096/profile.html

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公開日: 2014-07-24  

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