タイの農村部では、教育、医療・保健衛生分野における子育て支援以外に、地方自治体が実施する包括的な福祉政策の中で子育て支援プログラムが行われている。それまでの農村女性対象の施策は経済的エンパワメント一辺倒だったが、地方自治体の取り組みによって、その地域で生活する女性の関心事にマッチしたプログラムが提供されるようになった。 一方で、女性は従来からの生産/再生産役割に加えて、福祉コミュニティの中心的担い手としての役割を期待されるようになった。女性の負担が増してジェンダー間の不均衡が助長されることが懸念される。家族/ジェンダー政策ともに、各地域の実情に見合ったローカル化が重要である。
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