日本を中心に韓国、タイ、オーストラリアに住むビルマ人コミュニティに焦点を合わせ、移住するに至った歴史的背景と、直面してきた課題について調査し、相互比較することを目的とした研究である。移民・難民を排出したビルマ本国の状況についても調査し、英領期から独立期に転換する時期の海外移住者(特に英系ビルマ人)についても調べた。その結果、移住先4か国それぞれの移民・難民受け入れ政策の違いが、各ビルマ人コミュニティが抱える課題と深く関わっている点が明確となり、また日本では多数派のバマー(ビルマ)民族と少数民族諸コミュニティ間の連帯が2000年代後半に深まり、「在日ビルマ人」意識の自覚が見られることが判明した。
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