ベトナムの中南部高原におけるボーキサイト開発の事例から、同国の鉱物資源開発政策および同政策をめぐるガバナンスの状況について検証した。まず、管轄省庁および開発現場の住民、開発に批判的な知識人に対する聞き取り調査を実施し、政府が掲げている方針と、開発現場の現状との間に大きな懸隔がある事実を確認した。 さらに、ベトナムのハノイで同国商工省と共催の国際ワークショップを開催し、情報の共有と意見交換を図ると同時に、ガバナンスに対する同国の関連省庁の認識を検証した。その結果、同国の資源開発におけるガバメントの不備と、多様な利害関係者が参画するガバナンスが成立する土壌がないことが明らかになった。
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