研究課題/領域番号 |
23510328
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
三澤 真美恵 日本大学, 文理学部, 教授 (90386706)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 台湾 / 韓国 / 香港 / 中国 |
研究概要 |
本研究の三つの目的((1)国立台湾歴史博物館[以下、台史博と略記])所蔵植民地期映画フィルム史料の採録データ整理公開、(2)同データを利用した分野横断的な研究可能性の提示、(3)東アジア他地域との共同研究による植民地期映画フィルム史料の多角的研究モデルの構築)に即して、今年度は共催も含めて合計3回の合同研究会と1回の合同シンポジウムを行うと共に、2011年11月5日に国立民族学博物館共同研究会に参加して日本コロムビヤ外地録音資料の研究者と意見交換を行い、2011年11月16日~20日には台湾に出張して台史博において当該フィルム史料に関する研究代表者による現時点での研究成果の講演を行うと同時に今後の研究協力について打ち合わせを行った。また、採録データの整理については脚本部分の校正を完了した。合同研究会と合同シンポジウムの実施概要は下記の通りである。合同研究会:(1)2011年10月20日、ゲスト報告者と報告テーマ:アルノー・ナンタ氏(フランス国立科学研究センター、一級研究員)「植民地主義の歴史と〈記憶〉闘争」。(2)2011年11月22日、ゲスト報告者と報告テーマ:李道新氏(北京大学芸術学院、教授)「中国映画史:理論と実践」。(3)2012年2月27日、ゲスト報告者:成田雄太(早稲田大学演劇博物館研究員)「活動弁士は「映画」をつくるか」、李敬淑(東北大学大学院博士後期課程)「試論と再論の間、朝鮮弁士研究の現況」。合同シンポジウム:(1)2012年2月18日、「1930年代台湾における大衆文化」、ゲスト報告者:李承機(成功大学)陳淑容(台湾・清華大学)柳書琴(台湾・清華大学)黄美娥(台湾大学)石婉舜(台湾・清華大学)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、年度前半に本務校の派遣により半年間の在外研究の時間を得ることができた。そのため、比較的時間に余裕をもって年度後半の研究準備を進めることができた。結果として、上記のように年度の後半に集中的に3回の合同研究会、1回の合同シンポジウムを実施し、2度の出張を行うことが可能になった。本研究の三つの目的((1)国立台湾歴史博物館[以下、台史博と略記])所蔵植民地期映画フィルム史料の採録データ整理公開、(2)同データを利用した分野横断的な研究可能性の提示、(3)東アジア他地域との共同研究による植民地期映画フィルム史料の多角的研究モデルの構築)に即していえば、(2)と(3)については今後の研究の進展を支える基盤をある程度構築することができ、(1)についても、フィルム史料全体に占める比率は少ないとはいえ、脚本部分の校正は終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の三つの目的((1)国立台湾歴史博物館[以下、台史博と略記])所蔵植民地期映画フィルム史料の採録データ整理公開、(2)同データを利用した分野横断的な研究可能性の提示、(3)東アジア他地域との共同研究による植民地期映画フィルム史料の多角的研究モデルの構築)のうち、(1)についてはフィルム採録部分についてもデータの校正に着手し、公開に向けた準備を行う。(2)については、多分野の研究者を招聘して研究会を実施し、理論面、実証面の双方での成果を蓄積する。(3)については、東アジア植民地フィルム史料に関する国際ワークショップの開催などを通じて研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の三つの目的((1)国立台湾歴史博物館[以下、台史博と略記])所蔵植民地期映画フィルム史料の採録データ整理公開、(2)同データを利用した分野横断的な研究可能性の提示、(3)東アジア他地域との共同研究による植民地期映画フィルム史料の多角的研究モデルの構築)を達成するため、(1)については人件費、謝金、(2)(3)については旅費、謝金を中心として研究費を使用する予定である。
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