研究課題/領域番号 |
23510331
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
服部 圭郎 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90366906)
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キーワード | ブラジリア / ジャイメ・レルネル / ブラジル / 国際情報交換 / クリチバ / 広域都市計画 / 都市計画 / ルシオ・コスタ |
研究概要 |
平成24年度においては、ブラジリアとクリチバに出張をした。ブラジリアでは前回は学者、研究者等への取材、ヒアリングであったのだが、今回はブラジリア州政府において複数の行政担当者と取材することができた。また、前回の出張では入手することができなかったブラジリアの就業状況のデータ、またブラジリアの地区ごとの人口動態、収入、職業等のデータも入手をすることができた。また、GISデータを入手することができた。さらには、文献資料をポルトガル語ではあるが貴重なものを幾つか入手することができた。加えて、今回は広くブラジリアの地区を視察することで、不法占拠の状況などを直接、観察することができた。これらは現段階で、「ブラジリアがつくられてから50年間の推移」というタイトルで情報等をまとめている状況にある。 加えて、ブラジリアの広域地域計画策定に携わったクリチバ市の人達にも取材を行うことができた。特に、元クリチバ市長であるジャイメ・レルネル氏が策定した「Carta a Brasilia」という資料を入手したことは大きく、レルネル氏がブラジリアの都市課題をどのように捉え、またどのようにして解決案を導いたのか。その思考プロセス等を直接、聞くことができた。この案がどのようなプロセスで却下されたかに関しては、元ブラジリア市長が収賄で逮捕されたことが要因ではあるが、その後、このプランがどのように扱われているかなどを、今後、検証していきたいと考えている。 これらの成果に関しては、まだまとめる作業の途上であり、論文等の実績は不在ではあるが、今年の秋までにはそれらをまとめると同時に、本研究の集大成としての論文を作成するにあたって、現段階で不足している資料・情報・知見等を今年度では収集したいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2012年度の研究達成度は大幅に遅れてしまうこととなった。データや情報は収集することができたのであるが、私のポルトガル語の理解度が低いため翻訳のペースが遅かったことに加え、新たに国際交流センター長という大学の役職に就き、慣れない仕事に多くの時間を取られてしまったことが、現在、計画より遅れた状況にある理由である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も国際交流センター長に加え、学長室長補佐に任命されることになったため、研究時間が想定したよりも大きくしわ寄せが来ているような状況にある。ただし、そのような言い訳をしないように効率的に、数少ない研究時間を有効に使って、最大限の成果を出していきたいと考えている。既存研究は英語のものはリビューをしているが、ポルトガル語のものに関しては、まだしっかりと目を通せていないものもある。これらの文献をもしっかりとレビューをするのに加え、混沌を究めるブラジルの広域地域計画がどのような方向に行こうとしているのか。政治に翻弄される都市計画、という観点を踏まえ、しっかりと社会経済環境の変化を踏まえつつ、政治と都市計画との関係性を浮き彫りにしていきたいと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
ポルトガル語の文献資料を購入する。また、最後のまとめ的にブラジリアそしてクリチバに出張し、そこで最終的にまとめあげられるよう情報を収集し、関係者への取材調査を行う。この際、通訳を雇う。
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