研究課題/領域番号 |
23520001
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 惠 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30227326)
|
キーワード | 魂 / 様相論 / 完成 / 力能 / 実働態 / エルゴン |
研究概要 |
アリストテレス『デアニマ』の研究を通じて、力能や完成等の彼の様相存在論(たとえば、「魂」は「力能において生命をもつ自然物体の完成」と定義される)を展開した。「研究実施計画」に記したように、 Oxford大学で2012年6月4日に開催された Conference on Aristotle’s HylomorphismにおいてAristotle’s Modal Ontology;On his Introduction of Logikos notion ‘Entelecheia’(アリストテレスの様相存在論:「完成」のロギコスな導入について」を発表した。これは一人二時間の持ち時間を持つ本格的な学会である。出版物としては'Aristotle on Heuristic Inquiry and Demonstration of what it is'Oxford Handbook of Aristotle, pp.171-203(Oxford 2012)において上梓された。既にこの論文についての好意的な書評がL.P.Gerson(Notre Dame Philosophical Revies)によりなされている。(http://ndpr.nd.edu/news/37385)。また「博物学者アリストテレスとダーウィンー進化論と目的論的自然観の両立可能性」が『生物という文化』(北海道大学出版会 2013)に掲載され、アリストテレスの魂論がいかなるものであるかを論じている。 また3月4日から12日までOxford大学でD.Charles教授等とアリストテレス哲学について共同研究に従事した。概して、研究計画どおりに進行したと言うことができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次頁に述べる昨年9月にひらかれたオックスフォード大学アリストテレス哲学質料形相論の学会様相論の学会で魂論の理論的基礎となる様相存在論について研究発表し、魂論の基礎理論を確立することができた。また、3月にオックスフォード大学でD.Charles教授らと共同研究に従事し、様相存在論の研究が展開した。
|
今後の研究の推進方策 |
9月にOxford大学で開催されるアリストテレス哲学学会に招聘されており、そこでアリストテレスの方法論について研究発表する。さらに、来年3月にOxford大学でD.Charles教授らと『デアニマ』の共同研究に従事する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
31290円の次年度繰越が生じた。これは当該年度3月に英国出張したが、経費を概算したために、これだけの金額が未使用となった。25年度において、9月に英国で開催される学会にこの未使用分を用いる予定である。
|