研究課題/領域番号 |
23520012
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桑原 直巳 筑波大学, 人文社会系, 教授 (20178156)
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キーワード | 教育史 / 自由学芸 / キリスト教 / 哲学・倫理教育 / イエズス会 / 人文主義 / 修道会 / 神秘主義 |
研究概要 |
本研究は①キリスト教人文主義教育に関する思想史的研究と②イエズス会を中心とする修道会によるキリスト教人文主義教育の実際上の展開に関する研究との両面からなる。 ①については、イエズス会霊性の基盤としてのdevotion modernaの展開に向けての中世後期神秘主義思想の展開について3編ほどの研究論文を執筆した。また、前年度のトマス・アクィナスにおける学問論に関する研究を発展させた論文を1編執筆した。さらに、東方キリスト教学会誌『エイコーン』に、代表的な東方教父バシレイオスの自由学芸に関する態度を明らかにする研究論文を投稿、掲載に至っている。 ②については、フィリピンにおけるカトリック系のハイスクールを見学した。その成果についても日本カトリック神学院紀要に報告書を投稿、掲載予定である。さらに、年度末にはヘレニズム的教養世界のルーツをなすギリシアを訪問し、多くの史跡、博物館、美術館、教会を訪問し、実地に検分しつつ資料を収集した。 また以上、①②の成果をもとに、日本倫理学会、日本哲学会のワークショップを通して研究成果の現場への還元をも図っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
②に記した研究調査・資料収集は関係各位のご厚意により順調に進んでいる。 ①に記した文献研究はおおむね予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
①のキリスト教的人文主義についての研究については、包括的に通史的見通しにもとづく研究を展開する予定である。 ②の調査研究については、可能であれば東ティモールにおけるイエズス会教育活動に関する調査を行うことを考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度に引き続き、①文献・資料の収集および学会等での発信、②学校の訪問調査を中心に使用する予定である。特に、資料収集および訪問調査のための旅費の支出が多くなることが予想される。なお、収支状況報告書で次年度使用額となっている金額については、平成25年3月~4月に実施した海外調査等の出張旅費として支出が確定している。
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