現在,障がい者の社会進出が促進されている。しかし,バリアフリーといった設備面などで障がい者の働ける環境が整えられつつある一方で,競争原理に基づくこんにちの社会情勢のもとで障がい者が健常者と対等に競い合うとはどのようなことなのかに関しては,明確な基準が確立しているとは言い難い。そこで,本研究では,社会的生活のうえでの健常者と障がい者との対等性の意味や,健常者と障がい者との望ましい共生のあり方に関して倫理学的に考察した。その主たる成果は,2013年日本道徳性発達実践学会で「ケアされる側からのインクルージョン再考」という題目で発表された。
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