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2013 年度 実績報告書

神・仏観念の生成と展開に関する倫理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520024
研究機関山口大学

研究代表者

柏木 寧子  山口大学, 人文学部, 教授 (00263624)

研究分担者 上原 雅文  神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30330723)
吉田 真樹  静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (20381733)
栗原 剛  山口大学, 人文学部, 准教授 (50422358)
キーワード倫理学 / 思想史 / 神・仏 / 八幡神
研究概要

今年度も、研究組織の各構成員が自らのテーマに基づく研究を継続するかたわら、共同作業として『八幡宇佐宮御託宣集』(以下『託宣集』)読解のための資料作成に取り組んだ。連携研究者(東京大学名誉教授・佐藤正英氏)も加えた二回の研究会では、各自の研究成果を報告・検討するとともに、『託宣集』読解上の問題点について議論を行い、資料作成の最終調整を行った(資料はWeb公開予定)。
各自の研究実績は次の通りである。研究代表者・柏木は、『託宣集』に基づく年表を修正するとともに、『今昔物語集』天竺部五巻全187話の内容構成表を作成し、〈研究ノート〉として発表した。昨年度までの実績とあわせ踏まえ、今後、「仏」観念をその生成にさかのぼって捉え返す論考をまとめる予定である。
研究分担者・上原は、『託宣集』に基づく年表を整理し、公表に向けて準備するとともに、浄土信仰の歴史を一遍まで辿り直した。本来は真実在との一体化のために自発的・知的であるはずの仏教的原理が、受動的・情念的な神信仰的原理を取り入れることによって、二つの原理を止揚した神仏融和的原理が成立していく過程を確認した(その止揚原理は、端的に、一遍の踊り念仏に見いだせる)。
研究分担者・吉田は、『託宣集』に基づく年表の修正を行うとともに、八幡神の存立基盤とみられる霊魂について古代から近代初期に至る新たな思想史図式を導出し、講演および論文発表した。また日本人の霊魂観についての定説とされる柳田國男説を批判的に読み解き、乗り越えの方向性を示した(近刊)。
研究分担者・栗原は、『託宣集』に基づく年表の整備作業に今年度から参加した。また、昨年度に論文発表した、近世町人文学に表現された情死の衝動と「仏」観念との連関をめぐる考察を踏まえ、今年度、同時代に日常的な人倫秩序の根拠を問うた反仏教的言説の一例として伊藤仁斎『童子問』の思想を概括し、共著において発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「日本思想における霊魂の問題」2014

    • 著者名/発表者名
      吉田真樹
    • 雑誌名

      『国士舘哲学』

      巻: 18号 ページ: 1-25

  • [雑誌論文] 〈研究ノート〉「『今昔物語集』天竺部にかかわる内容構成表」2014

    • 著者名/発表者名
      柏木寧子
    • 雑誌名

      『山口大学哲学研究』

      巻: 21巻 ページ: 79-90

  • [学会発表] 「日本思想における霊魂の問題」

    • 著者名/発表者名
      吉田真樹
    • 学会等名
      国士舘大学哲学会講演会
    • 発表場所
      国士舘大学世田谷キャンパス(東京都世田谷区)
    • 招待講演
  • [図書] 『岩波講座 日本の思想 第4巻 自然と人為』2013

    • 著者名/発表者名
      黒住真、阿部泰郎、林淳、西村玲、菅原光、若尾政希、清水正之、片岡龍、ブレット・ウォーカー、福田武史、栗原剛、板東洋介、松田宏一郎
    • 総ページ数
      320(pp. 296-305)
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2015-05-28  

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