研究課題
直観主義論理・構成的論理に関わる論理学論争を新しい観点から検討した。特に、直観主義論理や古典論理や線形論理を統一的に構成する基礎的論理の研究を行った。先行研究では、線形論理の直観主義バージョンが古典線形論理と本質的に同等であることが指摘されてきた。古典線形論理は、この意味ですでにそれ自体構成的な論理であるといえる。線形論理に対する真の直観主義的論理を構成し、ゲーデル・コルモゴロフ解釈でそこから古典線形論理や直観主義線形論理が自然に導出されるような証明論的・意味論的構造を検討した。そしてその解決の基礎を明らかにした。成果の一部をローマ大学哲学科・数学科集中講義などで公開した。またウィトゲンシュタインの数学の哲学の構成主義の立場を彼の中期著作を基に明らかにした。特に、中期Big Typscript及びPhilosophical Grammarを中心に、ウィトゲンシュタインの数学の哲学を詳細に検討した。算術証明の哲学における証明の定式化のオリジナリティおよび証明の解釈におけるオリジナリティの検討を進めた。成果の一部はリヨン大学国際会議などで公開し、また国際誌で発表した。ゲッチンゲン草稿を中心としたフッサールの算術体系の分析が、現代の等号論理の計算論とどのように関係しているかを指摘した。構成的多様体論の役割を明らかにするとともに、完全性概念に対するフッサールとヒルベルトの捉え方の相違点を論理哲学的観点から明らかにした。フッサールの数学の哲学全体の中におけるこの意義を検討した。成果の一部は第24回RTA国際会議招待講演などで公開した。認知科学手法、論理手法および心理学手法とを融合し、被験者調査を含めて図的論理の研究を進めた。また、図や表による外的視覚表現の提示の仕方が推論や判断にどのような影響を与えるかを研究し、一部の成果を国際誌で発表した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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