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2013 年度 実施状況報告書

地域コミュニティの日常に出発し日常に還る倫理(エートス)の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520039
研究機関東京都市大学

研究代表者

山本 史華  東京都市大学, 共通教育部, 准教授 (20396451)

研究分担者 井上 健  東京都市大学, 共通教育部, 教授 (40259726)
稲葉 景  白百合女子大学, 文学部, 講師 (60599041)
キーワードエートス / 日常 / 地域コミュニティ / 地域運営学校 / 初等教育 / ポスト3.11
研究概要

地域コミュニティの日常を倫理によって変容させる試みとして、山本は2013年度も引き続き世田谷区T小学校で「いのちを考える」と題した倫理ワークショップを開催した(2013年8月22日)。2009年の臓器移植法の改正により15歳未満のこどもの脳死臓器移植も可能になったが、初等教育でそのことが取り上げられる機会はほとんどない。このワークショップでは、小学生(高学年)に少しでも脳死臓器移植について知ってもらおうという意図のもと、3年連続で行っている。また2014年2月24日には同じT小学校の全6年生を対象にして「不思議を見つける」というタイトルで哲学の授業をし、言葉の不思議、私の不思議、世界の不思議、そして時間の不思議について話をした。
コミュニティ・スクールに代表される「学校と地域が連携する活動」は、地域のエートスを変容させる可能性があるが、それが何を契機にして、どのように起こるかについてはまだよくわかっていない。井上は、T小学校の「コミュニティ・スクールとしての4年間」について、学校運営協議会委員(2名)と校長に聞き取り調査を行い、「学校運営協議会が学校にどんな変化をもたらすのか」を考察し、紀要論文にまとめた。他方で、今日、全国で学校と地域の連携・恊働が進められているが、その実態はコミュニティのあり方によって異なることと推測される。そこで、井上と稲葉は【都市部】と【地方部】の比較という視点から、子どもと地域住民を対象に「コミュニティに根ざした教育活動」に関する質問紙調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東京都世田谷区のT小学校(地域運営学校)を中核とした地域コミュニティへの倫理的関与については概ね順調に進展している。
また、本年度は関係者へのヒアリングを踏まえて調査票を作成し、2-3月に東京都、三重県、奈良県で「コミュニティに根ざした教育活動」に関する質問紙調査を実施した(サンプル数は児童を対象とする調査が555、地域住民を対象とする調査が507)。小規模ではあるが【都市部】と【地方部】の双方で調査できたことは、コミュニティの日常やエートスを考えようとする本研究においては重要な進展である。

今後の研究の推進方策

今年度は本課題の最終年度にあたるため、研究成果報告書の作成を行う予定である。
山本は、3.11後、地域コミュニティの倫理的変容を迫ることになった低線量被曝の問題について、英語論文発表と国際学会での発表をする計画である。また、9名の協力者のもとにポスト3.11に関する考察をまとめた本を編集・出版する予定でいる。
井上と稲葉は、昨年度末に実施した質問紙調査の集計・分析を行い、来年度末までに「調査報告書」をまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

質問紙調査は昨年度に行ったが、その集計・分析に手間がかかり、まだすべて終了していない。その集計・分析のために使用する額が残り、次年度使用額が生じた。
次年度使用額は、データ入力や整理のための業務委託費(あるいはアルバイト代やソフト代)、報告書の印刷費などに主として当てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 日常と疑似形而上学 ポスト3.11の新たな見取り図のために2013

    • 著者名/発表者名
      山本史華
    • 雑誌名

      東北哲学会年報

      巻: 29 ページ: 95-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学校運営協議会は学校にどんな変化をもたらすのか2013

    • 著者名/発表者名
      井上健
    • 雑誌名

      東京都市大学共通教育部紀要

      巻: 7 ページ: 55-71

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公開日: 2015-05-28  

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