研究課題/領域番号 |
23520040
|
研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
上原 麻有子 明星大学, 人文学部, 准教授 (40465373)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 近代日本哲学 / 翻訳学 / フランス / 比較思想 |
研究概要 |
・「翻訳哲学」について体系的な共同研究を開始した。フランス語圏の翻訳学の領域の研究者らとの共同研究により、日本・韓国と仏語間の翻訳学をどのように発展させてゆくかについて思索を深めた。カナダ、韓国の研究者らとともに「東アジアにおける翻訳の問題」をテーマとする発表グループを作り、カナダ翻訳学会の場で公表した。場所はカナダのフレデリクトン。・近代日本哲学、特に西田幾多郎後期の思想について、新しい角度から研究を行うため、西田に代表される近代日本の哲学者のテキストを読み直し、理解を深めた。ワークショップ「フェミニスト現象学における身体論の展望ー現象学的身体論の拡張としてー」の企画者として、日本現象学会に応募し、年次大会で司会を務めた。・香港中文大学の国際学会Japanese Philosophy as an Academic Discipline: Research and Teachingでは、Reception of Western philosophy by Academia in Modern Japan and Question of translation Japanese philosophyというテーマで、日本近代初頭の哲学者による翻訳の仕方と西洋思想の受容との関連について発表した。日本、アメリカ、香港、台湾、アイルランドの研究者らと、英語で議論することができた。・次年度の近代日本哲学を翻訳し出版する計画について、京都で、フランスの研究者とともに話し合った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・「翻訳哲学」をテーマとする研究において、いくつかの角度から講演会においてフランス語発表し(ソウル)、これについて深め、韓国、フランスの研究者と意見を交換することができた。・上記以外で、シンポジウムに招かれ、「翻訳哲学」について意見を述べ、他の参加者に批評を頂くことができた。・「翻訳哲学」、あるいは近代日本哲学に関するテーマで論文の執筆をいくつか依頼され、関係のある二つのテーマについて考察を深めることができた。・西田幾多郎の後期思想について、「顔と身体論」というテーマで論文を執筆し、新しい研究の可能性を開くことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
国際ワークショップ「東アジアにおける翻訳史」を明星大学で開催する。また、この会合に基づきフランス語の論文集を出版する計画を立てている。もう一つの、日本哲学をフランス語に翻訳し出版する計画については、パリ(またはブリュッセル)で、ワークショップを開き、フランスにおける日本哲学受容の現状について検討する予定である。検討後は、翻訳を出版する具体的な計画を立てることにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
・明星大学で国際ワークショップ「東アジアにおける翻訳史」を開催し、国内、海外から研究者を数名招聘する。・パリ(またはブリュッセル)でワークショップを開催する。招聘者については未定。
|