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2013 年度 実績報告書

生命・技術・文化を包括する現代的な自然哲学の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23520046
研究機関関西学院大学

研究代表者

米虫 正巳  関西学院大学, 文学部, 教授 (10283706)

キーワード自然 / 生命 / 技術 / 文化 / ドゥルーズ / シモンドン / カンギレム / アンリ
研究概要

平成25年度は本研究の最終年度にあたり、平成23年度・平成24年度に進めてきた研究成果を踏まえつつ、それをさらに進展させると共に、3年間の研究全体を統一的・総合的な視点から取りまとめることに専念した。生命・技術・文化を自然という観点から俯瞰するならば、おそらく中心的な位置を占めるのはまず何よりも、技術と文化の根底にあってそれらを貫く生命ということになり、したがってこの生命を中心としつつ、生命・技術・文化の三つを自然との関係でどのように捉えるべきかが問題となる。そこでミシェル・アンリの「生(生命)の現象学」を一つの手がかりとして、生命が一つの場所として理解される際に、そのような場所が自然というそれを包括する場所の中でどのような存在様態を持つか、またこの生命の存在様態をこうして位置づけた時に、それが技術と文化に対してどのような関係にあるのかを考察した。またその場合の生命は実体的なものとして理解されるべきではなく、あくまで或る種の「出来事」のようなものとして捉えられるべきである。そこで生命をジル・ドゥルーズの出来事の哲学の観点から再考することにした。その結果、生命とは複数の情念の関係する中での特異化というプロセスにより生じる出来事として捉えることが可能であり、そのプロセスにとっては複数の情念の関係を規定する場としての「情況」という概念が不可欠であることが明らかになった。しかしこの「情況」が「自然」とどのような関係にあるのか新たな課題として残されることになった。また以上のことを踏まえて、通常言われる意味での自然/人為という区分の妥当性を問い直すことも必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 情念の情況――ヒューム解釈から見たドゥルーズ哲学の発生と進展(3)2014

    • 著者名/発表者名
      米虫正巳
    • 雑誌名

      哲学研究年報

      巻: 第47輯 ページ: 1-34頁

  • [雑誌論文] 生という場所――生の現象学と歴史的現象学2013

    • 著者名/発表者名
      米虫正巳
    • 雑誌名

      ミシェル・アンリ研究

      巻: 第3号 ページ: 49-69頁

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公開日: 2015-05-28  

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